目指すは久能山東照宮!一泊二日で静岡の名所旧跡をゆく①【掛川城・宇津ノ谷隧道・薩埵峠編】
今年の大河ドラマは「どうする家康」ということで、世間では徳川家康公が取り上げられることが多くなった。
その結果、家康公ゆかりの場所を訪れる人が増えるようになってきたし、観光地もPRが激しい。
私も昨年から家康公ゆかりの地を廻ってきたが、それは「どうする家康」の影響ではなく、単純に戦国時代から江戸時代という歴史に興味があるからに過ぎない。
今回はそんな家康公ゆかりの地である静岡県を巡る旅であり、一番の目的地は日本平久能山に鎮座し、東照大権現たる神君家康公を祀る久能山東照宮を参拝することだ。
初日(2月11日)
浜名湖サービスエリア
東名高速道路には多くのサービスエリアが存在するが、その中でも指折りの眺望を誇るのが浜名湖サービスエリアだろう。
その名の通り浜名湖に面したこのサービスエリアは上下線両用であり、いずれからも同一施設を利用できる。
そのため、いずれの方向に向かう時であっても利用可能な点が良い。
掛川城
日本全国には現存天守が12ヶ所存在し、その数は極めて少ない。
しかし、御殿が現存する城というのはもっと少なく、全国にたったの4ヶ所しか存在しないのだ。
そんな現存御殿が存在する城の一つこそ、この掛川城である。
なお、天守も存在するが復元されたものであり、私が訪れた時は改修工事中であったので入城する事は出来なかった。
レプリカなので文化財的な価値は無いが、ここからの眺望は良さそうだ。
大手門及び大手門番所
大手門については復元されたものだが、大手門番所については現存している。
復元された大手門は往時の位置とはずらして再建されており、それに伴い大手門番屋も移築されている。
城の番所が残るというのは珍しいが、これは廃城後に民間人の家に移築されていたという事情があるそうだ。
ここの他で言えば江戸城にも番所が残っており、百人組(伊賀組、甲賀組、根来組、二十五騎組)が配置された百人番所などが現存している。
二の丸御殿
城主や城主の家族の住居や政庁として用いられる屋敷のことを御殿と言い、城内の複数の区画に設置されていることが多い。
一般的に城には複数の曲輪と呼ばれる区画が存在し、それぞれの曲輪の名を冠して本丸御殿や二の丸御殿などと呼ばれる。
掛川城に現存するのは二の丸御殿であり、本丸御殿は現存していない。
これは、本丸御殿は災害で倒壊してから再建されなかったためだ。
なお、御殿の中でも二の丸御殿が現存するのは掛川城と二条城のみで、高知城と川越城には本丸御殿が現存している。
宇津谷隧道
東海道岡部宿と丸子宿の間にある宇津ノ谷峠は古来から交通の要衝であり、現代の東海道たる国道1号岡部バイパスが通っている。
この宇津ノ谷峠付近で特筆すべきはトンネルの数であり、明治、大正、昭和及び平成の四世代ものトンネルが存在している上、いずれも現役なのである。
このうち車道として現役なのは明治を除くトンネルで、大正のトンネルは静岡県道208号藤枝静岡線(旧国道1号)、昭和と平成のトンネルは国道1号岡部バイパスとして供用中だ。
レンガ造りの明治のトンネルである宇津ノ谷隧道については観光用の遊歩道として維持管理されており、こちらも徒歩で通行することが出来るようになっている。
明治時代に作られたトンネル自体が貴重なものであり、かねてより一目見たいと思っていたので、この機に訪れたのだ。
薩埵峠
東海道でも屈指の絶景スポットと言えば、薩埵峠を外す訳にはいかないだろう。
駿河湾に迫るこの峠からの眺望は極めて美しく、何と言っても富士山と駿河湾を同時に視界に収めることが出来るのである。
歌川広重の東海道五拾三次でも描かれるなど、古くから絶景スポットとして有名であったようだ。
残念だったのは、最も眺望が良いであろう薩埵峠展望台までの遊歩道が災害により通行止めとなっており、それよりも低い場所でしか見られなかったことだった。
薩埵峠展望台の近くには駐車場があり、当然私もこの駐車場を利用したのだが、ここに辿り着くまでに道を間違えてしまったのだ。
ここへ辿り着くためのルートは二通りある。
由比宿よりも手前で国道1号を左折して国道52号などを経由するルートと、由比宿で左折して旧東海道を進むルートだ。
結論から言えば、正解は前者である。
後者は旧東海道ということで狭隘で急坂も多い道を進む必要があるのだ。
それ故に自動車同士の離合がしづらいのである。
また、歩行者もそれなりに多いことから、運転するのに気を遣わなければならない。
私も旧東海道が狭いことなど想像の範囲内だったので避けたかったのだが、諸事情で左折しそこねて通り過ぎてしまったため、東海道を使って由比宿で引き返すことにしたわけである。
ただし、旧東海道ルートもいい事が一つだけある。
とにかく眺望がいいのだ。
高所から駿河湾を見渡せる場所が多く、時たま海側を見ると絶景が目に入ってくる。
もっとも、そんな高所で運転操作を誤ると転落して死んでしまうので、あまり見ていられないが。
初日の記録すらまだ終わっていないが、とりあえずこの辺りでキリをつけて次の記事で書こうと思う。