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#4 膝OAの歩行をみる上で大切なこと ①正常歩行編

こんにちは!理学療法士のKEIです!

今回から膝関節を中心に膝OAの歩行について記事にしてみます。内容が内容なので数回に分けて進めていきます。
ぜひ最後までご覧ください。


はじめに

変形性膝関節症の歩行を始める前に必要なこととして、正常の歩行における膝関節の役割を各方向からみていくことが重要になると考えています。

それではいってみましょう!

前額面

膝関節は蝶番関節で基本的には内転、外転方向には動かない構造となっています。
しかし歩行では重心移動が前後のみならず、左右にも発生しますので何かしらの支えが必要になってきます。
そこで重要な役割を担っているのが内側側副靱帯(MCL)、外側側副靭帯(LCL)になります。

膝関節単独を観察すると内反・外反の動き(内反モーメント・外反モーメント)を制御しているのはMCL・LCLですが、下肢全体で見れば股関節・足関節も重要な働きをします。
股関節・足関節は膝関節と比べて自由度の高い関節ですので、膝関節にかかるモーメントを分散することに寄与しています。

ちなみに歩行周期においてモーメントが最大化するのは、
内反モーメント:荷重応答期(LR)〜立脚中期(MSt)
外反モーメント:立脚後期(TSt)
と言われているようです。

矢状面

膝関節の関節運動は屈曲・伸展がメインになりますので、矢状面がもっとも大きく動く方向になります。

代表的な機能として挙げられるのはやはり二重膝作用(double knee action)になります。

二重膝作用(double knee action)とは
膝関節が1歩行周期に2回屈伸して、衝撃を軽減し重心の上下移動も減らすこと
立脚相膝関節屈曲角度と内側縦アーチ高率の関係   2016柳田ら

double knee actionが機能することで、上下の重心移動をコントロールし位置エネルギーと運動エネルギーを効率よく作用させることができています。
それにより推進力を持った歩行が実現されています。

動作分析 臨床活用講座より引用

膝関節屈曲、伸展の角度が最大化するのが下記になります。
屈曲:MSw
伸展:踵離地の直前
私自身最近までMStで最大伸展だと思い込んでいましたが、やはり同じように勘違いしている人が多いようです。

水平面

膝関節における運動のメインは前述した通り、屈曲・伸展になりますがそれに伴い生じる回旋も非常に重要な動きとなっています。
30〜40度の可動域を有しており屈曲すると内旋、伸展すると外旋を伴います。特に伸展時の外旋についてはスクリューホームムーブメントとして知られています。

(余談にはなりますが、スクリューホームムーブメントは肉眼では確認しずらいと思います。それは大腿骨の前捻角により相殺されているからだと言われています。)

ではなぜ膝関節には回旋の動きがあるかでしょうか。
大腿骨と脛骨の骨形態によるものと言われています。大腿骨において内顆は大きく滑り運動が中心ですが、外顆は小さく転がり運動が中心になります。脛骨においては内側の関節面は凹、外側は凸となっています。

これらから膝関節の回旋運動は、滑り運動を中心とした内側に軸を持ち生じていることがなんとなく理解できるかと思います。
内側優位の関節運動はmedial pivot motionとも呼ばれます。
ただmedial pivot motionはOKCやOKCで確認できるものの、歩行に限ってはlateral pivot motionになるようです。


まとめ

いかがでしたでしょうか。
以上が歩行における膝関節の動きの概要になります。矢状面の動き以外はなかなか目視での把握が難しい内容かとは思いますが、知っていて損のない内容かと思います。

今回の内容も踏まえながら次回は
変形性膝関節症の歩行の特徴の記事を書いてみます。


本記事をご覧いただきありがとうございました。
次回もお楽しみに!

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