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基礎づくり2 動きのパターンを理解して疲れにくくなる①
前回の記事は理解することができましたか?
圧のプロセス・方向性はイメージできても、それに沿った形で圧を作り出す動きをしなければ伝わりません。実際の施術では”のっかる””つっぱる””ひっかける”を次々と切り替えて進めていきます。
どんなに素晴らしい手技・テクニックを知っていたとしても、動きによって”技の質”が失われることがあるので厄介です。
タイマッサージを始めて間もないセラピストにとっては施術の動きの多さに混乱して難しさを感じるのはよくあることでしょう。
でも大丈夫です。基本的にはこう考えてください。例えば、ココは”のっかる”んだということが分かれば、そういう動きをすればいいんです。
”動きの中身(のっかる)が同じなら”どう動いても良い。それについて複数回に分けてお伝えしていきます。
あの先生はこう動く、先輩はこうしてる…どっちが正しいの?
恐らくどっちも正しいです(見てみないとわかりませんが)。それはその人に合ったやり方をしているだけ、または受け手との体格差などを考慮した上で違うだけです。
圧のプロセス、それを伝える動きが理解できたら、皆さんの身近なセラピスト仲間の動きを観察してみて下さい。どのように”のっかる”動きをしているのか見てみるといいです。
困ってるセラピストにアドバイスもできるようになると最高ですね。
いったん”質“は置いといて動きのパターンを身につける
”中身が同じならどう動いても良い”とは言いましたが、実際には”動きの質“は大切になってきます。ですが今回は質のことはいったん置いといて、動きのパターンについてのみ書いていきます。
これを理解することで一辺倒な施術からサヨナラです。そしてバリエーション豊富、臨機応変な動きを習得する基礎を作りましょう。
動きの質についてはまた今度説明しますね。
動きのパターンは3つ
3つです。3つ覚えればオッケーです。
これらの動きを組み合わせてタイマッサージは出来ていると言えます。
パターンを理解することで技を分解して考えることができるようになります。あなたが難しいと思っている技は実はパターンを間違えている可能性があります。それを変えればできるようになるかもしれません。
今回はそのうちの一つを説明していきます。
”両側パターン”はタイマッサージの基本的な動き
このパターンの特徴は支持点が両手、両あし(膝)に4点あります。その支持点上を体幹が動く、肩関節・股関節がよく動いて体幹が安定して前後に動きます。
手に向かって体重が移動すれば左右の手に均等に圧がかかります。下がれば足に均等に。
安定しやすくタイマッサージの基本というべき動きです。
両側パターン のっかる
動画では”のっかる“動きをいくつかバリエーションを交えて紹介しています。
すべて中身は同じ“のっかる”です。実際の施術ではのっかりきった所で動きを止めて、ジーンと持続した圧を伝えていきます。ゆったり動くとタイマッサージらしさが出ます。
抜く時もゆっくり戻って下さい。手を離すのではなく戻ればいい。
親指に変えれば“サムプレス”。
肘に変えれば、エルボー”のっかる“プレス。
受け手の体格や姿勢、自身の腕の長さ等の兼ね合いで高さを調整・変化させます。“のかっる”圧を伝えるには高さが要ります。”上から下へ”が基本。
”ここはこの動きじゃないといけない“と思わずに。
本質は”圧の方向性に沿った動きをどう作るか?“ですから動画のように思いきって高さを変える動きをしてみるとラクに圧を伝えることが出来ます。
蹲踞でやるとちょうどいい時もあります。
両側パターン つっぱる
“つっぱる”の特徴は、動きとしては見えにくいです。のっかるような体重の移動が無いからです。
点と点の間に入ってその距離を長くする動きをしてはじめて圧が受け手に伝わります。
動画ではピラティスのリフォーマーを使ってつっぱる動きをイメージしやすくしています。
伝わりますか?この辺の感覚がイメージ出来ると“つっぱる”は問題なく出来そうです。
実際の施術では動画のような大きな動きにはなりません。
近すぎても点と点の間に入れないし、遠すぎると圧が弱くなってしまいます。
絶妙な距離感は人それぞれ、自分で探すしかないです。自身の腕の長さや体格、姿勢などによって違います。
あとは”つっぱる”環境が整ってないとできません。アプローチする受け手が動いてしまったり(受け手が横向きの時よくある)、マットが動いてしまったり、床側の支持点(あし、膝)が滑ると上手くできませんので気にかけてみてください。
ぜひ試行錯誤してみてください。
両側パターンで基礎的な体力がつく
この動きだけでも充分施術が出来るようになります。こうした動きの繰り返しと切り替えで施術が成り立っています。
両側パターンの動きは、タイマッサージの基礎にして3つのうち最も安定しやすい動きです。これを正確に出来るようになるとセラピストとして必要な体力が養われます。
“動きの質”の詳細についてはまた今度お伝えしますが、基礎的な動きを簡単だからといって決して侮ってはいけません。もしこの動きを安定して出来ない、どこか関節に痛みが出る場合はエラーが出ていることが想像出来ます。コレが出来ないと残り2つのパターンはまず安定しないと先にお伝えしておきます。
それでは2つ目のパターンを説明していきます。つづく...