アイドルとわたし アイドル(オタク)って何が楽しいの?
アイドルって何が楽しいの?と聞かれることがあって。これは全く悪意なく純粋に聞かれるんだけど、たしかに傍目から見てアイドルオタクってカルト的で怖いし金遣い荒くて意味わからないし、隣の人がいきなり「そっち側」に行ったら気になるよなあと思ったので、自分なりに面白さについて書いてみようと思った。
ここでのアイドルはAKBとかハロプロみたいなメジャーシーンに届かない、いわゆる集客が数十人~数百人くらいのアイドルのことを指している。
アイドルというジャンル
"アイドル"という便利なジャンルがあります。
"アイドル"はパッケージのジャンルであって音楽のジャンルではないと思っています。ポップスのモーニング娘。も、テクノポップのPerfumeも、メタルのBABYMETALも全部同じ"アイドル"です。アイドルフェスやアイドルの対バンイベントに行けば色んな音楽ジャンルに振れることができるので、アイドルオタクになればいろんな音楽が好きになります。
おすすめアイドル紹介するからみんなも聴いて - pikko’s blog
私もアイドルっていうのは音楽を売りたい人が考えた売り方のひとつなんだろうと思っている。
学生時代から音楽ゲームが好きだった私は、音楽の趣味が雑食で、特段詳しいわけじゃないけど色んな音楽を聞くのが好きだった。アイドルは対バンイベントやフェスをよくやるので、知らないグループの知らない音楽に触れる機会が多い。アイドルの音楽、普通にいい。アーティストと同じ音楽を作るプロが作っているので、それはそうなんだけど。シンガーソングライターとかバンドでもいいのかもしれないけど、自分はダンスが好きなのでダンスが見れるのも楽しい。プロのダンサーが振り付けをしていたりして、とくに自分の好きなアイドルのパフォーマンスは見応えがあると思っている。
アイドルがいわゆるダンスボーカルユニットと違うのは、接触と呼ばれるチェキ撮影やサイン会などファンとの交流イベントが確立されていることだ。純粋にライブが好きなだけで行かない人もいるけど、よりこのグループを応援したいという気持ちにさせられるし、大事な活動資金の源泉でもある。
アイドルは "時間を共有する" 体験型コンテンツ
ライブや接触それ自体も確かに楽しいけど、アイドルをアイドルたらしめているもうひとつの重要な要素があって、それは時間(あるいは時間軸)だと思う。
アイドルはわかりやすくて、売れることがゴールである。ファンは擬似的な共犯関係を演出される。オタクはアイドルと同じ時間を共有しながら、段々と大きくなるステージやCDの売上枚数、メンバーの脱退・加入などに一喜一憂する。そんな熱心なオタクの下支えを受けて、アイドルはやがてメジャーシーンへの進出をして晴れて芸能人になったり、消えていったりする。
なんでおなじツアーに何回も行くのか理解できない、セトリも同じでしょ?と言われるけど、アイドルにとってライブはその時点でのスナップショットでしかない。いろんなライブハウス、コンディション、セットリスト、その日その場しかないライブをしていることに意味があるし、ライブはいつでも通過点である。一回一回の積み重ね、いろんな経験を経て変化や成長する人間味と、ひとつのグループとして成り立つ過程とか、成り上がっていく姿が見られるのは楽しい。ステージと客席もまた共犯関係である。観客がめちゃくちゃにしようと思えばできるし逆に熱く盛り上がることもできる、同じ時間を生きている人間同士が演者と観客に分かれて一つの空間と時間を共有する。そんなときにレスが来るのは格別だし、レスなんかなくても、その日来たお客さんとしかできないライブをして高揚した顔で楽しかったと言ってくれるアイドルを見ることは何にも代えがたい。舞台と客席は地続きだ。アイドルはアイドルという人格の生の途中で、私たちは自分の人生の途中で、本来関わり合いのなかった人間同士が確かに時間を共有して、それが層状に積み重なって一年二年と経っていく。
とかなんとか言っちゃって
まあそんなごたくはどうでもよくて
「好きな人の顔は毎日でも見たい!!!!歌ってる推しちゃんも喋ってる推しちゃんも頑張ってる推しちゃんもかわいい!!!!推しちゃん夢叶えてほしい!!!!私のこと認知して見てくれてありがとう好き!!!!!」
とかそんななんだけど、傍目から見てわからない面白さみたいなものが言語化できていたらいいな。
狂乱の中にいるのは単純にとても楽しい。いわば毎日祭りである。新曲・MVやライブ発表、メディア露出など絶え間ない発表の嵐もその一端。来月のライブ予定は?チケット発売は?整番は?当日のセットリストは?遠征先の美味しい食べ物は?とか情報の海に溺れているのも楽しい。非現実的で小難しいこと考えなくていいし。現実逃避したっていいじゃない、学校だって仕事だって頑張っているわけだし。お金使うのは程々に、自分のできる範囲で。たまに無理してもいいけど、推し疲れしないことがたぶん大事。
まあ、とりあえずここにチケットがあるから、興味があるなら来てみようよ。チェキ券もあげるからさ。