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「ウミガメと自由研究」を題材に、美波町のファンを増やす

なぜウミガメなのか

地方創生はコモディティ化している──。

地方移住で、都会の喧騒から離れ、働きながら自分の時間も忘れない、ゆとりある暮らし。地方創生と言われてぱっと思いつくそんなイメージは、もはやどの地方にも当てはまり、「この地方だからこそ」という付加価値は無くなった。

美波町におけるコンテンツを作り、なおかつコモディティ化を避けることを考えた時、真っ先に浮かんだのがウミガメだった。「都会の喧騒から離れ、働きながら自分の時間も忘れない、ゆとりある暮らし」ができる地方は数あれど、そこにウミガメが加わる地方は、日本の中で一気に絞られる。

そこで、あえてひねらず、美波町の海と、そこで育まれるウミガメをコンテンツの題材としたい。この2つは、やはり私の目に、大きな魅力として映ったからである。

具体的なコンテンツ案

ウミガメをもとにしたコンテンツとして、私が提案したいのは、
「夏休みの自由研究協力」である。
まず先に、想定している内容について、ご説明させていただきたい。

ターゲットは主に、生き物や環境問題に興味がある、小学生から中学生と、その親御さんを想定する。

内容は、大きく3つである。
①ウミガメに関する学びの内容
②海に関する学び
③学びをまとめるサポート
できればツアーのように、わかりやすくパッケージ化したい。

美波町 コンテンツ内容3つ

まず1つめ、ウミガメに関する学びである。ウミガメに関してはウミガメ博物館カレッタで現在すでに、数々のイベント、例えばウミガメの生態を学んでウミガメ博士認定を受けたり、エサやり体験、子ガメとのふれあい体験などが行われている。

そこに加えて、このコンテンツの参加者の年齢によって、学べる内容に差をつけられたら良いのではないだろうか。例えば小学校低学年なら、ウミガメの生態にスポットを当て、よりかみ砕いて学べるようにする。小学校高学年なら、「アカウミガメの産卵に関する調査では、最も歴史のある土地」であることを生かし、研究の歴史なども学べるようにする。中学生なら、さらに深めてウミガメの人口産卵に関することも学べるようにする、といった風だ。

また2つ目に、海に関する学びとして、漁業体験や、中学生であれば魚をさばいたりする体験ができたらよいと思う。これらの体験を通して、子供たちは、自分たちの命が、同じ地球に生きている、ほかの命によって生かされていることを学ぶだろう。さらに放置船舶の問題など、環境の問題にも触れることができる。

3つめに、これらの体験の中で学んだことを、研究成果としてまとめるサポートを挙げる。まず美波町の概要、そこからウミガメや、海に関する学び、その結果、自分が何を感じ、どう考えたか。具体的な書き方を教わり、アドバイスを受けて、人に伝える方法も学び、実際にまとめるところまで、このコンテンツ内で達成できれば良いと思う。

自由研究はただ体験するだけでは半分で、そこから学んだこと、考えたことを、他者(教員、家族、友人)に伝わる形にしてようやく完成である。それらすべてを、この美波町で完結させる、というのが、このコンテンツの主である。

提案の目的・ゴール

私が今回の提案で設定した目的は、「まず美波町を知ってもらうこと」、そして参加後、「美波町のファンになってもらうこと」である。

「なぜウミガメの自由研究で美波町のファンが生まれるのか?」と疑問に思われる方もあるだろうが、このソースは自分である。

正直に申し上げて、自分はこの授業を受けるまで、日本に美波町という町が存在することを、本当に一切知らなかった。コンテンツを作るために学んでいき、どんどん好きになった。
初めてGoogleマップで美波町を見たときの、「空が広いなあ」という漠然とした感想から、今では美波町で暮らす個人の顔を思い浮かべることができるようになったし、コロナウィルスの流行が収束したら、絶対行くと心に決めている。

そして美波町を知っていく中で、やはり最も惹かれたのがウミガメだった。生き物が大好きで、「ダーウィンが来た」をかじりついて見ていた幼い頃を思い出し、自分で美波町のウミガメについて調べる中で、もっと多くの人に、このことを知ってもらいたいと強く思うようになった。

美波町は、知るきっかけがあり、実際に知りさえすれば、絶対にもっと興味がわくし、好きになってもらえる町だと思う。そのきっかけとして提案したいのが、ウミガメであり、自由研究なのである。

美波町 提案の目的

なぜ自由研究なのか

美波町の特色、ウミガメを採用した理由は、冒頭で申し上げた通りだが、今度は「なぜあえて自由研究なのか?」という疑問に答えたい。

世の親御さんが頭を悩ませることでおなじみの、夏休みの自由研究。その時期が近付くと、触れる水や、アリの巣観察キットなど、それこそコモディティ化しているのでは、といった文言が目に付く。
白状すると私などは、毎年色や形を変えた石鹸を作ってお茶を濁していたタイプだし、自由研究は親の負担が大きい、ということで批判の対象にもなったりする。

だが、「あの子はこういうことに興味があったのか」「この子はこういうことが得意だったのか」と、普段見ることのなかった同級生の一面を知ったり、中には見ごたえのある超大作を仕上げてくる子もいて、クラスでの研究発表は、確かに私の夏休み明けの楽しみのひとつだった。

教育の専門家が何と言うかはわからないが、時間をかけて自らの興味を深め、また同級生と互いを理解し合うという点において、やはり自由研究は良い機会だと考える。

実はこの、「クラスでの研究発表」こそが、私が自由研究を取り上げた理由だ。美波町を知り、美波町で学び、美波町のファンになった子供は、学校で美波町のことを、そこでの経験を、クラスメイトと教師に向けて発表する。

すると、美波町に行ったことのないクラスメイトや先生も、美波町の存在、取り組み、魅力を知ることになる。いうなれば、美波町の発表をする子供は春木先生で、それによって美波町のことを知るクラスメイト、教員は、私である。

美波町の魅力を知った子供たちに、学校で美波町の宣伝をしてもらう、ということが、自由研究であればより多くの人に対して、自動的に行われる。
これが、私が自由研究を取り上げた理由である。

最後に

ここまで、美波町の特色であるウミガメを題材に、自由研究協力によって美波町のファンを増やすコンテンツ案について説明させてもらった。

美波町は、知るきっかけがあり、実際に知った人ならだれでも、絶対にもっと興味がわくし、好きになる町だと心から思う。

私の拙い視点や提案が、もしそのきっかけを作る一助になれば、これほど幸せなことはない。


参考資料
・日本ウミガメ協議会「産卵地について」(2021/07/03最終閲覧)


・『毎日新聞』2019年8月5日(2021/07/03最終閲覧)


・日和佐ウミガメ博物館カレッタ(2021/07/06最終閲覧)


・記事冒頭での使用写真
日和佐ウミガメ博物館カレッタHP「ウミガメ豆知識」より


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