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ほぐほぐ

最近少しだけ、ほんの少しだけ飲み会が億劫じゃなくなった。気心知れた同期とのこ飲み会でなく、先輩との飲み会である。極度の人見知りの割に、「絶対に話さないと後ろは崖」であるような極地に立たされた時に人見知りじゃないですよとお面をかぶることもできる。でも同じ匂いのするやつは同じ匂いのするやつを嗅ぎ当てることができるから、後ろから首根っこ掴まれることもある。その時は大抵「見つけれたってことは、あなたもそうなんだね。」と思う。

雑談ができない。

芸人として致命傷ではあるが、雑談ができない。お笑いに対しての熱い思いとか、良きライブをどうやって作るかなんて話は5~6時間も話せるくらいにはキモい。これは雑談ではない、演説である。最近見たテレビの話、漫画の話、地理の話、店の話、子供の話など、引き出しが空っぽで何もできない。引き出しが空っぽだったから以前に拭き掃除したのだが、またその引き出しが必要になったときも綺麗なままであった。元々私はあまりエンタメを知らない。私はしっかりと日本に住んでいてしっかりと普通の学生だったのにも関わらず、本来みんなが通るようなエンタメをことごとく通ってない「エンタメコンプレックス」である。映画とか漫画とかに非常に疎い中の疎い。ホームアローンを知らない。知ってるみたいな愛想笑いだけメキメキと上達していく。今はそれを逆手に取って、我々のラジオ「にぼしいわしのアクウカクウカン」で「いわしの知らない世界」というコーナーがある。日常を健やかに生きていれば知っていることを、すごい確率で知らないので、リスナーの皆さんから流石にこれは知っているだろうという単語を送ってもらって、その意味を当てるというコーナーである。アキネーターを知らなかったときのみんなの目が怖かった。

スポティファイでもアンカーでもやってるよ。

そういう負い目があるから雑談ができないなと思っていたのだが、実際はそうでなかったのかもしれない。

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