クレープ食べていきたい

　私と友達になってくれている心優しき人たちがいる。基本的には同じ志を持つ仲間同士が多い。切磋琢磨鼓舞決別探り合いカラオケオールをしながらもどんどこ良好な関係性となっていく。中学も高校も大学も社会人もそしてお笑いの世界でもそうやって友達を作ってきた。何を言っても許されて、何を言っても助けてもらって、時にはボコボコに殴られて、それを乗り越えてきた強固な関係性を保つような友達が、こんな私にもいたし、いる。

　大人になって、友達とのトラブルで喧嘩や涙なんて流れることはまずなくなった。人間関係の「嫌だったらお互いが納得するまで話し合う」スタイルから「気に入らなかったらさっさと離れる」スタイルに移行する年代も悠に過ぎている。言葉選びも上手になった。喧嘩一歩手前で一目散で逃げられるようになった。何も言わずに黙っておくができるようになった。分かり合えないかもしれない人との魂の無駄遣いのような喧嘩はもうこの年では耐えられない。でも学生時代、こんなやつ本当に一生話さないと誓った翌日に謝罪をしてもらって私も悪かったよと熱い抱擁し、帰りにこれからは喧嘩せんとこな！と頬に涙の跡をつけながら食べた100円のクレープを忘れられない。