【読了】三千円の使いかた
なんかめちゃくちゃ面白かった!
実用書を読む楽しさと、小説を読む楽しさ、両方を感じられたような。
あらすじはこんな感じに書かれているけど、何が面白いって、大人であれば誰もが共感できるお金の悩みが書かれていることですよ。
20代から70代、それぞれのお金に関する悩みが書かれているんですよね。
20代の美帆は、里親募集の犬を見て、昔買っていた犬を思い出す。
そこからペット可の物件を調べると、現状のお給料では賃貸で引っ越すのは難しいとわかるんですよね。
それで将来中古の戸建てに住みたいなぁと思い、貯金をしはじめる。
美帆の姉、真帆は専業主婦。
旦那さんは消防隊員だけど、そこまで手取りが多いわけではない。
子どもが1人いるので将来の学費や生活のためにお金が必要だなと考えている。
母の智子は子宮体癌を患ったことから家計に意識がいきます。
なんだかんだと貯金が減ってきている現状に気づいて焦り始める。
しかも娘2人が家を出て、いつも旦那さんと2人の生活。
全く家のことをやらない旦那さんと2人きりの将来にも不安を感じるわけで。
そして祖母の琴子。
旦那さんが亡くなったことで年金が減るんですよね。
貯金がないわけではないけど、これから自分の介護が必要になったりすると、今あるお金で足りるのだろうかと。
しかも減った年金では毎月赤字。
自分があと何年生きられて、どれくらいの医療費をかけて最期をむかえるのか分かったらいいのにと考えます。
他にもこの女性たちの周囲には、定職につかずに季節労働をしている男性や、お金持ちの男性と婚約した友人。
それから熟年離婚をしようとしている元客室乗務員、奨学金の返済が必要な社会人など、様々な悩みを持つ人物が登場します。
全ての悩みに共感はできないまでも、自分や親なんかのことを考えると似たような悩みを持つ登場人物がいることに気づきます。
彼らがどんな答えを出して、明日の生活をしていくのか。
本を読むことで自分のもつお金の悩みに対する小さな回答を見ることができるので、読んでスッキリします。