【小説読了】ジャックジャンヌ 七つ風
久しぶりに小説を読みました。
読んだ本はこちら、『ジャックジャンヌ 七つ風』。
ジャックジャンヌとは、マンガ家の石田スイさんがお話やイラスト、作詞まで担当したゲームです。
ゲーム、それも乙女ゲームと呼ばれるジャンルに分類されることが多い作品です。
確かに主人公は女の子で、複数の男の子との恋愛が描かれるルートがあるため、乙女ゲームと言って問題はないでしょう。
でも、このゲームの面白さって、そこじゃないんですよ!
演劇をするためにユニヴェールという学校に入って、毎日演劇の練習をするんです。
どんな演技をしたらいいのか、歌や踊りを上達させるにはどうすればいいのか。
そんなことに悩む、アツい青春物語なんです。
さらに個人的に1番好きだなと思うポイントは、演劇という表現についてみんなが悩むところ。
みんながみんな、アーティストでありクリエイターなんですよね。
ダンスが得意な子、歌が得意な子などいろいろな人がいるのですが、そのみんなで一つの演劇作品を作り上げる過程が何より面白い。
作品を作り上げることへの苦悩が描かれているのは、ゲーム本編だけではありませんでした。
今回読んだ『ジャックジャンヌ 七つ風』は、ゲーム終盤のエピソードが描かれています。
特にクラスの座長・脚本・演出なんかを担当するネジ先輩のお話がよかったです。
ネジ先輩はとっても多彩で、脚本や演出、それからもちろん演者としても相当な実力があるキャラクターです。
そんな彼が、ゲームの終盤ではスランプに陥ります。
そんなスランプを抜け出す頃のお話なので、彼の心情の揺れを見ることができる小説でした。
いつもは自信満々に見えるクリエイターなネジ先輩。
超アーティスト気質な彼が、ふっと見せる自信のなさ、そしてそれに自分が気づいて力技で気分を上向きにしようとする姿勢が痛ましい。
でも何かを創る人って、そういう自分自身で気分とやる気を持ち上げる必要があるよねーと思わせてくれるお話でした。
何かを創り上げる苦悩を描いた『ジャックジャンヌ』。
さらにその長いお話の一部を描いた『ジャックジャンヌ 七つ風』。
どちらもクリエイターの頑張りを描いた愛おしい作品だと私は思い、本当に大好きな作品です。
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