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【読了】どうしてわたしはあの子じゃないの
クラスで人気者だったあの子。
いいパートナーと子どもに恵まれたあの子。
たくさんのお給料をもらっているあの子。
こんな風に誰かを羨ましく思うこと、ありませんか?
あらすじ
閉塞的な村から逃げだし、身寄りのない街で一人小説を書き続ける三島天は、ある日中学時代の友人のミナから連絡をもらう。中学の頃に書いた、大人になったお互いに向けての「手紙」を見つけたから、30才になった今開封しようというのだ――。
九州の田舎から、家出同様にして逃げてきた天(てん)。
東京で離婚目前のミナ。
地元のテレビ局で働く藤生(ふじお)。
3人の中学生時代をメインに描いたこの小説。
三角関係の青春ものと言ってしまえば、それも間違っていません。
でも3人がそれぞれに『どうしてわたしはあの子じゃないの』と思っている過程が胸に沁みます。
さらに読ませるのは文庫の巻末にある解説です。
この小説の作家さんと同時期にデビューした方が書いているようです。
その解説がリアルに『どうしてわたしはあの子じゃないの』なんですよね。
小説を読み終わって、物語を楽しんだ後、そこにあるのはリアルの感情です。
作家としての羨望や嫉妬が作者に向けられています。
ぜひ物語りと合わせて読んでいただきたい解説です。
※リンク先の電子書籍版には解説がないかもしれません。ご注意ください。