見出し画像

グラスホッパー:伊坂幸太郎


今回貪った本→https://amzn.asia/d/ev6b7gI

「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。
どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。
鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。
一方、自殺専門の殺し屋「鯨」、ナイフ使いの天才「蝉」も「押し屋」を追い始める。
それぞれの思惑のもとに──。
「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。
疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!


10年以上前に読んだ伊坂幸太郎の『グラスホッパー』を再読。

登場人物はほぼ殺し屋。この殺し屋一人ひとりのキャラクターが本当に多彩。個性溢れすぎています。

特徴的なのは、物語が大きく展開する場面で、きまって殺し屋に殺された被害者の亡霊、つまり、この世にいない人間が登場しがっつり物語に絡んでくる。

自ら手にかけた亡霊の言葉によって、生きてる人間同士の物語が動き出す様が独創的でなんとも面白い。

このようにして、死者の存在が物語になんともいえない奥行きと深みを加えていきます。人は亡き人の影響(作用)を受けて生きている。

後半にかけてのテンポ良い話の展開と、鮮やかな伏線回収は伊坂ファンなら「これこれ〜!」と前のめりになる名人芸。

この殺し屋シリーズ好きなんだよなあ。
グラスホッパーを再読したからにはすべて見直すか。

そういえば巻末に引用文献として
『世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい』森達也著→https://amzn.asia/d/ao1CHb7

が紹介されていた。作品のテーマ性や伊坂さんの視点などをより理解するためにこちらも気になるところ。。。が、unlimitedに無いかぁ。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集