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京都薬科大学薬学部の学生が医療系スタートアップでインターンしてみた

 初めまして、京都薬科大学薬学部の金友沙樹です。
今回株式会社ネクイノのインターンに1週間参加いたしました!!
皆様のご理解とご協力があって、充実したインターン期間を送ることができましたので、
 その報告と、医療系スタートアップの中の人たちに触れ、いち薬学生が感じたことを公開したいと思います!!!拙文ですが、読んでいただけると幸いです!!


ネクイノインターンを希望した理由

 ネクイノの展開している事業については以前から少し知っており、DX(デジタルトランスフォーメーション)化が進みつつある医療の世界に関心がありました。加えてネクイノではフレックスタイム制やリモートワークを導入していて、ワークライフバランスを考慮して働けるということも知りました。
 そこで、将来のキャリアアップを考えたときに、一般に想像される薬剤師像以外で薬剤師が社会に貢献できることはないのか、また、身体に無理のない範囲のなかで、培った経験値を活かせるところはないかと考え、ネクイノへのインターンを希望しました。

インターン期間に勉強させていただいたこと

1日目

 みなとみらいオフィスの屋上を見学し、プロフィール用写真の撮影をしていただき、全社会で使用する自己紹介スライドを作成しました。その際は人事の責任者の方が、どういう写真にすれば良いか、どんな内容を書けば良いか、親身になって相談に乗ってくださり、大変助かりました。
 午後から、オンラインでの全社会に出席し、社員の皆様に挨拶を行いました。入社オリエンテーションでは、新入社員研修スライドを用いてご説明いただきました。大学では学ばない税金制度、保険をはじめとする福利厚生、ハラスメントに対する詳細な定義などについて知ることができた点も貴重な経験だと感じました。その後、Slackの利用方法、TIPSを教えてもらい、最後に日報の記載の仕方について説明していただきました。

みなとみらいオフィス屋上から撮った写真(とてもオシャレでドラマのロケ地で使われてそうな所ばかりでした)

2日目

 引き続き、みなとみらいオフィスにて政策企画部の皆様から、役割や各分野担当の方から具体的な業務内容を解説していただきました。中でも、関係省庁へのロビーイングによって、社会ルールを構築する段階から直接アプローチをかけることで、婦人科医療における患者・医療者双方のニーズをより深く理解しているネクイノ社がルールメイキングに介入していくという観点が、とても興味深かったです。また、地方自治体や学校法人と連携するにあたって、今まさに社会課題となっているテーマを取っ掛かりとして働きかける、といった話も、そういう視点で医療について考えたことが無かったので、とても新鮮でした。
 午後からは、カスタマーエンゲージメント部門が担っている役割・業務内容を説明していただき、スマルナ医療相談室で実際に行われるやりとりを参考にしながら、どのような層の患者さんがいるのか、勉強しました。説明の中では、過去の問い合わせデータや実際のチャット内容を拝見しながら、各部署が担う具体的な業務内容について学んだことで、私自身がピル服薬経験がないことも併せて、ピル服用(予定も含めた)患者に対する解像度が高くなりました。
 また、ネクイノで勤務する薬剤師に求められる人物像やスキル等についても教えていただき、今後の参考にもなりました。ビジネスマナーに関する指導を受け、その後はコーポレート部門が担っている役割・業務内容を資料をもとに解説していただきました。専門知識のない私にわかりやすいよう、「筋肉質な」組織、中期経営計画、予実分析、変動費率、財務会計と管理会計の関係等について、たとえを用いて解説していただいたことで、多少なりとも企業財務・会計について理解できるようになったのではないかと感じることができました。

3日目

 本社のある大阪に移動し、午前は「スマルナステーション」@心斎橋の見学を行い、医師でもある責任者の方に、スマルナステーションの概要について説明していただきました。
 午後からは、弁護士でもある取締役の方に「オンライン診療と医療法」というテーマで解説を受けました。オンライン診療について、法規(医師法20条等)の側面から法律の専門家に解説していただいたことで、ネクイノ社が対峙している医療システムの現状を改めて理解することができたと感じています。また、医師法と薬剤師法・薬機法、他の法律と医療法との弁護士として感じる違いについて質問できた点も貴重な経験でした。
 スマルナステーションで日々患者さんと対面している助産師さんからは、実際にあった症例をもとに、スマルナステーションを利用する方について解説していただきました。相談者の生の声をもとにスマルナステーションについて学ぶことができたので、より深く理解することができたと感じます。
 さらに、ピルに関する「ファクトブック」も拝読したことで、エビデンスをもって現在の若年層の婦人科を取り巻く現状について学ぶことができました。薬剤師国家試験の公衆衛生学分野・実践分野に出題されそうな範囲の内容もあり、いち医療者としても、いち学生としても勉強になりました。

デジタル版を公式サイトで無料公開「PILL FACTBOOK/経口避妊薬ファクトブック〜人々が健康に活躍できる社会のために みんなに知ってほしい7つのこと〜」

 最後に、PARCO内のフェムテック専門店などに連れていっていただきました。自分自身のプライベートでは中々立ち入らないところだったので、とても勉強になりました。

4日目

 サプライチェーンマネジメント部門のある拠点にうかがい、医薬品管理業務について説明していただきました。その後、実際の薬剤のピッキング、配送準備等の見学と体験をさせていただきました。薬局とは異なる体制の中で、どのように医療用医薬品を管理し、薬袋や薬剤情報提供書をどのように患者にお渡しするに至るのかを知ることができ、良い経験となりました。
 さらに、医療DX推進本部の責任者の方からも、急遽説明を受けることができました。いわゆる新規事業開発部門に近い立ち位置であるということで、今現在取り組まれている進行中の新しい事業について聞くことができました。
 本社オフィスに場所を変え、広報部門の方からネクイノの広報としての役割・実際の業務内容について解説していただきました。特に、ニュースのチェックやメディアへのアプローチ(「メディアリレーション」と言います)等は、表側(顧客側)からは見えないけれど、広報活動する上でとても重要な業務であるとのことで、どのように取り込まれているのか知ることができ、貴重な経験となりました。

5日目

 最終日、医療連携部の責任者の方に業務内容について説明していただきました。ネクイノにとって医師という存在は、現在進行中の事業を成長させる意味でも、より大きなMissionを達成する上でも重要なパートナーです。どのようにして医師のオンライン診療へのハードルを下げるか、加えて患者に対しても、どれだけ受診へのハードルを下げられるのか、という点に着目したお話は、まさに医療DXど真ん中の内容でしたので、とても興味深く感じました。
 その後、インターンのメンターの方々と振り返りミーティングをおこないました。初日から振り返り、印象に残った内容等についてお話しし、残りの時間はこのnote記事の作成をしました。

ネクイノのインターンに参加してみて

インターンを通して学んだこと

 私は、2022年11月まで病院・調剤薬局(いわゆる町の薬局)で実務実習を行っていました。そこでは医療者として患者が求めている事に対してきちんと正確に答えながら、患者に寄り添うコミュニケーションの重要性を勉強しました。そして、それは対面でのことだけでなく、医療DXの場でも同じことが言えるのだということをインターンを通して学びました。センシティブな内容の相談等に対し、患者さんそれぞれの背景を引き出しながら、その方が求めている言葉を適切に投げかけるということの難しさを、カスタマーケア部門の方や、スマルナステーションに勤務する助産師さんから直接学ぶことができたことで、医療空間に携わる上で、患者とのコミュニケーションの大切さは企業でも薬局でも変わらないのだと実感することができました。
 さらに社内でのコミュニケーションの重要性もインターンを通じて学ぶことができたと感じています。今回のインターンシップでは、これまで漠然としか知らなかった職種についても学ぶ機会を得たことで、それらの職種の重要性を改めて強く意識するようになりました。だからこそ、ネクイノでのSlackやZoomなどを中心とした社員同士の交流に短期間ですが、関わらせていただいたことで、社会人としてのコミュニケーションの取り方についても学ぶことができたのではないかと感じました。

インターンでの印象的なエピソード

 患者さんの相談事例を拝見し、若年層に限らず、想像していたよりも多くの方が、ピルを含めた産婦人科領域に関する理解が不足しているのだと実感しました。私自身は、幼いころから医療に関心があったので、産婦人科領域については生理学的メカニズムの一環として理解していましたが、地域や生育環境が異なれば、各人の理解度も違うことに改めて気づかされました。さらに、オンラインでバックボーンを探りながら、傾聴しつつ医療として適切な言葉をかけることの難しさというのも印象的でした。

どんな社員がいたか

 お話を聞かせていただいたどの社員さんも、代表の石井さんが掲げる「医療空間をサイテイギする」という理念の実現のために、職務に尽力されていることが強く印象に残りました。
 インターンを通し、ネクイノがチャレンジしていることは難易度の高いものばかりであることを理解しましたが、だからこそそれらのハードルを超えた先に見えてくるVisionがあるのだろうなということも同時に感じました。社員全員が一丸となって一つのMissionのために邁進できるのは、石井さんの人望のなせる業だと思いました。

インターンを通して「ネクイノ」に対してのイメージの変化

 ネクイノの事業としては、スマルナに関する話題をマスコミ等で耳にすることが多かったので、会社としても、特にフェムテック関連事業に力を入れて取り組まれている印象でした。
 ただ、インターンを通して皆様からのご指導を受け、ネクイノのMission、Valueについて深く考えてみると、現時点ではフェムテック関連事業が大きなウェイトを占めているものの、決してその領域に止まることなく、今後の医療空間全体に目を向けておられるのだなという印象に変わりました。

総括

 インターンに参加し、様々な経験をさせていただきました。もともと、「医療におけるデジタル関係の会社って、どんなところなんだろう?」という興味から、インターンを受け入れていただけないかと考え、実現に至りましたが、想像以上に多くのことを学ぶことができました。
 社員の方々の、常により良い方向へと前向きに取り組む姿勢を間近で拝見していて、私もこういったモチベーションで職務を全うできる社会人になりたいと感じました。
 この1週間で学んだことは、今後の就職活動ひいては社会人として成長していくための礎になるだろうと確信しています。
 
 年末に向かってお忙しくなる時期にもかかわらず、未熟な私を1週間優しく丁寧にご指導くださり、本当にありがとうございました。ご縁があった際には、ネクイノに少しでも貢献できるよう、さらに研鑽を積んでいきたいです。














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