【4/5公開】ニックネームはミニ・ズラタン サッカー好きの女の子がおじさんの恋人を追い出すために大奮闘!| 映画『リトル・エッラ』
大好きなおじさんを恋人に取られちゃう!エッラはあの手この手で追い出そうとするけどーー
みなさん、こんにちは。ヨコハマ・フットボール映画祭note公式マガジン第90回を担当します、スタッフの細川です。
今回は、どんな人生も肯定する、カラフルでハートフルなスウェーデンが舞台の映画『リトル・エッラ』をご紹介します。
"永遠の親友"ミニ・ズラタンとおじさんのトミー
学校では「友だちを作れ」って言われるけど、そんなものは要らないと思っているエッラ。なぜなら彼女には"永遠の親友"であるおじさんのトミーがいるから。トミーはサッカーが好きなエッラのことを「ミニ・ズラタン」と呼んでかわいがっています。
両親が旅行中におばあさんのお家に預けられますが、ポークパンケーキと三つ子のおじさんに耐え切れずにトミーの家に転がり込みます。でも、喜んでくれると思っていたトミーには「一晩だけ」と言われてしまいます。
翌日、食い下がって居座ろうとしていると、トミーの恋人のスティーブがやってくるのでした。オランダ出身のスティーブはスウェーデン語がわからず、ふたりは英語で会話をしますが、エッラにはふたりの会話がわかりません。
ただでさえ邪魔なのに、会話もわからなくて、エッラはのけ者にされたような気持ちになってしまいます。そこでエッラは転校生のオットーの協力の下、スティーブを追い出そうと次々にいたずらを仕掛けていくのですが……
子どもは小さな大人?
原作は日本でも出版されている『名犬ボーディル』『ふしぎなお人形ミラベル』のピア・リンデンバウムの絵本”Lill-Zlatan och morbor raring”(「小さなズラタンと愛しのおじさん」という意味)です。スウェーデンの児童文学と言えば、アストリッド・リンドグレーンの『長くつ下のピッピ』シリーズや『ロッタちゃん』シリーズも有名ですね。
ヨーロッパ、特に北欧の映画を観ていると感じるのは、子ども向けの映画に限らず、子どもをひとりの人間として扱っているな、ということです。大人がイメージしたり、理想としている子どもではない、自分も子どものころこうだったなあと思い起こすような描写がされていると感じます。
エッラも生意気だし、嫉妬をしていじわるをしたりします。イノセントである分、自分の感情に正直だとも言えると思います。パンフレットに寄稿されている桒原さやかさんのコラムによると、北欧では「子どもは小さな大人」という言葉を何度も耳にしたそうです。
多様性が認められている社会
両親が子どもを預けて旅行に出かけるというのは日本ではあまりないように思いますが、欧米の映画を観ていると、子どもを預けて両親がディナーやデートに出かけたりする描写はよくありますね。子どもが大切なのはもちろんですが、ふたりの時間も大切にする文化は日本にも浸透するといいなあと思います。
あと、とてもすてきだなと感じたのは、トミーの恋人が男性のスティーブであることがとても自然に、当たり前に描かれていることです。
クリスティアン・ロー監督来日&『ロスバンド』再上映!
スウェーデンが舞台の映画ですが、監督はノルウェー出身のクリスティアン・ロー監督です。日本では2022年にバンドを組んだ少年、少女4人組のロードムービー『ロスバンド』が公開され、人気を博しました。
『リトル・エッラ』公開記念でロー監督の来日に加え、『ロスバンド』の再上映もあるようです!
そして、注目すべきポイントがもうひとつ。なんと、エッラのおばあさんは、実写版『長くつ下のピッピ』シリーズのインゲル・ニルセンが演じています。
スウェーデン映画『リトル・エッラ』×メッツァビレッジ “BFF(Best Friend Forever)キャンペーン
また、メッツァビレッジとのコラボ企画、映画に登場する「友情」「お花」「食べもの」をモチーフとした メニュー・ワークショップなどが開催されます。豪華プレゼントがあたるSNSキャンペーンもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
とにかくかわいくてハッピーで、優しい気持ちになれる映画です。ぜひ、劇場でお楽しみください!