だから語学はおもしろい
私の好きな漫画で、『日本人の知らない日本語』という作品がある。その、大好きな漫画に登場しそうなエピソードが、ついに私の身近にも発生した。
ある日、日本に住んでる台湾人の知人がやや真剣な顔でこんなことを聞いてきた。
「会社のあまり親しくない同僚が毎日体調を聞いてきてちょっとこわい」
確かに、顔を合わせるたびに健康状態を聞いてくるのは奇妙だ。しかも、会社に来てるんだから基本的には健康だろう。
よっぽど会社で風邪をうつされたくない事情でもあるのだろうか。とにかく他人に健康状態を聞きまくる同僚なんて普通じゃない。
「で、その人は何て言ってくるの?」
「毎日"調子どう?"て言ってくる」
「… 」
「調子」とは、例えば「テレビの調子が悪い」のように物の具合のことだから、人の具合=体調となるわけである。
でも、会社で言う「調子どう?」は「最近どう?」に近いか、毎日言うならほぼ意味を持たないあいさつである。
心配しなくても、その同僚はこわい人ではないよ。
本来の意味を考えるとおかしいけど、母国語だとそこに気付きにくい。
言葉の面白さを再発できるから、やっぱり語学はおもしろい。