
思い出せないけど忘れてない記憶たちに出会った日
年末年始の休みの間、数年ぶりに学生の頃の友達と会うことができた。
会う前は何を話せばいいんだろう?会話が続くだろうか?と、一瞬不安になった。でも、会ってしまえば一気に当時の空気がよみがえる。
会えなかった間の近況よりも昔の話が増えたのは、それだけ思い出が遠くなった証拠なんだろう。
学生の頃の友達とあれこれ話していると、ほんの数日前の出来事かのように昔の記憶がよみがえる。いつもは思い出すこともないのに、不思議なくらいハッキリと当時の光景が目に浮かぶ。まるで、いま見ているかのように。
思い出すこともないほど記憶の奥底にしまってある記憶は、思い出せなくても忘れたわけじゃない。忘れたことも忘れたような記憶も、自分の中のどこかに必ず残っている。
昔話が楽しいのは、普段は触れない記憶に触れることができるからなのかもしれない。
"一度あったことは忘れないものだ。思い出せないだけで"
こんなセリフが『千と千尋の神隠し』にあった気がする。
この感覚が"思い出せないけど忘れてない記憶"なのかも、なんてことを思った2023年のお正月。