młodsza siostra
今まで一度も存在を知らなかった。
妹はどんな子だったんだろう。
双子の妹が恋しくてずっと
寂しくて仕方なかった。
あったかくて本当に聖母みたいだった母、
あまりにも嬉しいから
時々思い出しては泣いてしまう。
もう戻れない幻想みたいな
日々を思い出しては
嬉しさと寂しさがいい具合に
混じったような
気持ちになる。
安心を感じれば感じるほど怖くなる。
あまりにも嬉しいと
その瞬間の終わりが
気になってしまう。
言葉にできないような感覚、感情に
何度も出くわす。
日の当たった明るい真っ白な部屋。
何度も夢に出てくる光景。
こんなにも不安な部屋は見たことが無かった。
ここで2人で遊んでいたのかもしれない。
もしも一緒に大きく育ってたら
どんな姉妹だったんだろう。
グレーの壁紙の広いアパート、
古き良き家具たち。
過ごしてもいない時代の部屋のことを
ぼんやりと思い出しては
まるで、プールの底で
ふわふわ浮かんでるような
不思議な気持ちになる。
心地がよくて
次々に記憶が蘇ってきてしまう。
時々夢に出てきては、
また嬉しくなる。
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