LOVE戦!〜5thGenerations〜②
梅澤:はーいざわざわしなーい。
このクラスを担当します梅澤です。この学園の卒業生でもあるから何でも聞いてね~
大抵この手の質問は彼氏いますか?が相場だが、先生の薬指に指輪が輝いている
それを察したのか、質問がなくなってしまった
初日は午前中にて解散
結局、女友達4男友達0という意味の分からない初日を終えた
「ただいま。」
『おかえり~学園どうだった?』
「梅澤先生になったよ。」
「おお~やったな大当たりだ。」
どうやら梅澤先生はバリバリのタイプらしい
2日目
この日は体力テストがある
クラスごとに1種目ずつ計測しに行くというもの
僕のクラスはハンドボール投げから
順番待ちをしていると大きな歓声が聞こえる
そう、我々のクラスには彼がいるのだ。
神宮寺楓
昨年の中学野球最強を決める大会において準優勝となった武蔵野シニアの大エース
57.6m
まああんなのと自分を比較してはいけません。
そして自分の番になる
魂のこもった一投
57.5m
うーん惜しい
観測誤差はあるにせよ、.6と言わせられなかったのはこちらの実力不足だ。
さっちゃん、僕は強くなったんだよ。
??:あんた飛ばすなあ。野球部希望?
○○:そうだけど…
久保:俺久保翔馬っていうんだ、よろしくな。
○○:鳴神○○、よろしく。
久保:良かったら一緒に回ろうぜ。
いかにも押せ押せどんどんの陽キャだ、すごい
体力テストは続き、地獄のシャトルランを迎える
久保:やっぱあいつバケモンだろ
○○:たまにいるよね、スポーツをするために生まれてきた人って。
結局、男子は神宮寺君が全種目1位となって体力テストは終了した
奈央:思い出した!やっぱり私たち○○君に会ったことあるんだよ!
茉央:え、ほんとに?
奈央:いやほら、中学2年の時に神宮に試合見に行ったじゃん!
茉央:あの試合に出てたってこと?よく思い出したね。
奈央:確か○○君は途中から出て来てさ…
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中学2年夏 神宮球場
2回戦 御前山ビクターズ対江戸川
茉央:奈央のお兄ちゃん絶好調だね!
奈央:しかもまたチャンスだし!
ーーー
「○○次ピンチになったらいける?」
「いつでも行けますよ行かせてください。」
6回の裏1アウト満塁 点差は1点
「また○○に頼ることになるとは。」
「何とかここ耐えましょう。」
対するバッターは三番サード富里
四番より三番の方が怖いが、四番に回すわけにもいかない。
内野ゴロゲッツーが上策、三振で中策、犠牲フライで1点か
投じた弾はアウトローへのツーシーム
見事に三ゴロゲッツーに仕留めることに成功した
茉央:すごいね今の…
奈央:鳴神君…か…
たった1球でピンチを抑え、自軍ベンチへと帰っていく彼に何か特別なものを感じた。
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咲月:へぇ…○○にそんなことが…
和:○○君野球部はいるのかな。
奈央:咲月、マネージャーやってみたら?
マネージャー、か
確かにマネージャーとしてそばにいたら、中学時代の○○のこともわかるかもしれない。
入学2日目にして、各部活の仮入部が始まる。
野球部の仮入部のため、第一グラウンドに向かう
既に多くの入部希望者がおり、いかに強豪校であるかが伝わって来る
ほどなくして二人の男性が現れる
「監督の設楽でーす」
「助監督の日村でーす」
「映画か。」
まるで漫才みたいなやり取りが行われた後、推薦入部員も含めた新入部員による入部テストが行われることが発表される。
新入部員と先輩方が試合をし、それによって入部の可否が決まるというもの
そして、マネージャーとしてさっちゃんが加入することも伝えられた
彼女の登場に活気づく新入部員チーム
監督からスタメンが発表されるとざわつきが起こる。推薦入部と一般入部がちょうど半々になっていたからだ。
どうやら推薦入部組には自分たちの力で一般入部組を全員入部させられるくらいの結果を見せるというお達しが来てるらしい
要は、邪魔をするなということだろうか
新入部員チームの先発は神宮寺楓
彼は中学時代、「最強」と謳われたピッチャーだ
そんな彼が、3回までに10失点するなど新入部員の中で誰が想像できただろうか…
つづく
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