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ひなたぼっこ 17

「お前どうしたそんなところで。」

「実現可能性がないからって企画が通らなかったんです。」

「見せてみ。どこに実現可能性がないと?」

「罰ゲームです。そんな金は無いと。」

「つまり罰ゲームさえ用意出来ればいいんだな?ちょっとこれに一筆書いて貰えない?」

「なんですかこれ?甲は乙に…」

「要約すると、これから行く場所で見たり聞いたりしたことは外に漏らさない。それを約束させる書状だな。」

ーーー

メールが来た。差出人は、鳴海

まずは企画書。確かに面白いがこちらの出る幕では無さそうだ…

最後に一言何か書いてある。

…青葉はこの罰ゲームを持ってこれる人間を知っているか?

知らないと言えば嘘になる

美玲:何それひなあい?

太陽:びっくりした。鳴海がまた送ってきたんですよ。美玲さん出ます?

美玲:なんだかんだ出たことないんだよねー!

太陽:分かりました。今回は一期さん中心で行きましょう。

彼は今どこで何をしているのだろうか?

ーーー

東京は八王子

とあるオフィスビル

その地下にラボは存在していた

??:はぁ〜

ため息が多いと指摘される。無理もない。これから会う人間に問題がある。きっとろくな事が起きないだろう。

「志島さん、鳴海さんがお見えです。」

志島:通してください。

鳴海:ハカセー!久しぶり!

志島:久しぶりの前に何故ここを特定出来た。

鳴海:先生に聞いた。一発だったぞ。

志島:相変わらず顔だけは広い男だ。

志島海人、通称「ハカセ」太陽、鳴海、金丸の同級生。つまり悪友である。

好きな物は爆発炎上。職業、化学者。

自他ともに認めるマッドサイエンティストだ。

鳴海:ハカセに罰ゲームを提供してほしいのよ。キッついやつ

志島:アホか。テレビには出ねーぞ。

鳴海:テレビじゃないからセーフ。

志島:だとしてもマイルドにされるだろ。

鳴海:日向坂が出るぞ。

志島:乗った。

ーーー

「凄いあっさり決まりましたね。」

鳴海:ハカセはオタクだからね。これから本丸に乗り込むよー。

「そんなやばいとこ行くんですか!」

鳴海:やばいよー限りなく黒に近いグレーゾーンだからね。

車を走らせ20分

玄関のインターホンを鳴らす

鳴海:あーおばくん!あーそーぼー!

『断る。』

鳴海:後輩も連れてきてるから彼だけでも。

『彼だけだぞ。』

ガチャ

鳴海:お邪魔しまーす!

太陽:あのさ、もう少し控えてはくれないかな。

鳴海:控えてるでしょ。でも事が事だからね。企画書見た?

太陽:…優佳さんに出てほしそうな内容だったよね。

鳴海:流石。上が影山さんをツモれって。全くミーハーな人間だよなー。

ブームが来てから呼ぶ。そんなんだから破裂していくのだ。

その前に呼べば安く呼べたものを、こちらも高く設定せざるを得ないということにもなる。

「鳴海さん、もしかしてここは…」

鳴海:そ、一筆書いてもらったからね。

太陽:現状、ここに入れるのは鳴海とあと一人です。

特定でもされたら厄介ですしね。

正直そろそろ鳴海を訴えてもいいかなと思ってきたところで書面を書かせることを思いついたという訳です。

鳴海:で、罰ゲームの件なんだけど…

太陽:知る限り1人しか居ないよね。

ハカセだろうな…

ハカセと日向坂を合わせるのは博打以上の何かを感じる

博打ではなく爆打だ

下手すればスタジオが吹き飛ぶ可能性すらある

優佳:ただいま〜あれ、お客さん?


太陽:優佳さん、これ出ようと思えます?

優佳:なになに?「謎解きバトルゲーム。」いいんじゃない面白そう!

太陽:…鳴海は腹括ったか?

鳴海:2人で手網握れば事故は起きないと確信している。

太陽:やるしかないかぁ…

ーーー

鳴海が帰ったあと、作戦会議

太陽:ハカセはやばい人です。

まず問題になるのはハカセがアイドルファンであるという点。今まで鳴海と仕事していたのは彼がアイドルに興味がなかったからであって

これがハカセ相手だと何が起こるかわかったもんじゃない。

ただ制限をつけて彼を縛るというのもおもしろくない

さてどうしたものか

太陽:やってほしいこと,禁止事項等ありますか?


美玲:粉系はちょっと嫌かも。

優佳:何が得意とかあるの?

太陽:得意技は爆発炎上,電気工作,遠隔操作,匂い,ですね。


久美:においがボーダーラインかもね。アイドル的にも。


史帆:太陽ちゃんがやばいって言ってる人の電気もちょっと怖いよね。
太陽:ただの静電気ですから大丈夫ですよ。

今手元には鳴海がわざとおいていったであろうハカセのビリビリペンがあるが本番まで温存しておいた方が良いかもしれない。

美玲:不安?

太陽:そうですね,社会人マンパワーになったハカセを制御できるかは不安です。

久美:大丈夫だよ。私たちがついてるじゃん。

逆ですね。マネージャーがアイドルに励まされてどうするんでしょうか。

太陽:わかりました。最善を尽くします。

ーーー

鳴海:…ということで金丸,お前んとこでゲームいいのない?

金丸:なんで鳴海がうちに外注しにくるんだよ。ゲームはお前の十八番だろうが。

鳴海:青葉が一枚噛んでて,俺の番組で罰ゲーム監修をハカセがやる。ときたらゲーム考えるのは金丸だろ。

金丸:悪党どもの同窓会に参加する気はサラサラないんだがな。

鳴海:そこを頼むぜ。うちばっかだと似たパターンにしかならん。

金丸:お前…もしかしてネタ切れか?

鳴海:ああそうだよ。もう何も出てこん。早く4期ちゃんを拝みたいくらいだ。

金丸:人間アイデアを絞り切った後のカスのカスが面白いっていうのはよくあるから。

俺たちは金丸の作るイベントは面白いと確信している。

利益面でも今回は特に負けられないからね。

ーーー

迎えた本番

並の仕事よりもはるかに緊張している自分がいる。

そんな不安をよそに番組は始まっていく。

まずはおたよりから読んでいきましょうこちら!

「日向がお外ではしゃいでる姿を見せろコノヤロー」

とのことです。

ちなみに今回一期さんは初登場です。

「いえーい!よろしくお願いしまーす。」

ということで今回やっていくのはこちらですドン

ばら撒きクイズ~

お上からクイズをしろとのお達しがあったんでね,動けるクイズ!を外注しました。

ただまぁ,普通のクイズをしたんじゃ勝てないですよね。というわけで他の方にはこれなら勝てる!というのを持ってきてもらいました。

そこでスタンバってる罰ゲーム担当のハカセにも作成してもらい,例の彼にも作問を依頼してます。

問題をもってきて正解したら1ポイント,間違えたらビリビリペンです。

とりあえずやってみましょうか

ーーー

「青葉さんはどうみますか」

太陽:このゲームは僕の同級生が作成したと彼は言っていました。いい落としどころを見つけましたね。

外せばビリビリペン,一番点の低いものに考案した罰ゲームとハカセの出番を見せつついい感じに制御している

これならば問題もないだろう。

「青葉くんの知り合いは優秀な人が多いのね」

太陽:能力値は高いと思いますよ

ただその能力の使いどころは恐らく間違っていると思う。

ーーー

鳴海:そろそろ罰ゲーム聞いてもいいか?

志島:こちらですドン

鳴海:なんですかこれは

志島:テスラコイルー

鳴海:なんかめっちゃ出てるけどこれ人体に影響ないんだよな?

使用方法を守れば安心安全です。監督者も複数いるのでね。

お前のことだしまだなんか隠してんじゃないのか?

ご名答!先端を取り換えると…

ボッ!

人体に影響あるだろ!

大丈夫,ちょっと先端が爆ぜるだけだよ。

の割にはスゲー音したけどな

まぁテスラコイルさんだし

結果


史帆:やばいって!

ボンッ

史帆:死ぬかと思った…

みんな満足かな?ではまた次回!!!

ーーー

太陽:どうでしたかハカセの罰ゲームは。

史帆:ドSじゃない??ほとんど笑ってたよね。

太陽:彼は人のリアクション見るのが一番好きなタイプなので。

久美でも面白かったなー地上波じゃ絶対できないッていうのがわかる気がする。

配信番組とはいえやらかさないのが当然ではある。

しかし,いつやらかすか不安で見ていたのは僕だけであろう。

メンバーの中にはまた一緒に仕事をしたい!という声もあったが正直勘弁してもらいたいもので…

やつは表に出すべき存在ではないと再認識した仕事でしたと。

つづく。

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