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「愛」の人


 賀喜遥香という人間を一文字で表すと「愛」だと思った。そう改めて感じさせてくれた、大切な夏の、大切な思い出がある。



 乃木坂を好きで乃木坂に強い憧れを抱き加入してきたごく普通の女の子、そんな彼女があの乃木坂46でアイドルになった。しかも振り返ってみれば加入当初から憧れたあの乃木坂の”前”に立つことが結構多かった。「自分は本当に乃木坂なのか」、「憧れに追いつきたいけど追いつけない」、憧れと現実、自己肯定感の低さ、常に計り知れない迷いや苦しみと共に今まで駆け抜けてきてくれたんだなと、時々思う。







 そんな彼女が『好きというのはロックだぜ!』で2度目の表題センターに抜擢され、彼女が座長を務める「真夏の全国ツアー2022」が開催された。


 3年ぶりとなる乃木坂の聖地明治神宮野球場、ライブは新曲の『好きというのはロックだぜ!』から始まり、初めて表題センターを務めた『君が叱られた』で終わる、今の乃木坂46が詰まったようなセトリだった。




 2日目のキャンプファイヤーのコーナーでの『泣いたっていいじゃないか?』、途中声を枯らせて泣いていたのを見て相変わらず涙腺がやられていた。ほとんどの人が2年前の8thバスラでの『強がる蕾』を思い出したと思う。何を感じて泣いちゃったかは本人しか分からないけど、なんとなくあの時とは違う気がする。「僕たちはいつから涙を流さないのか?幼かったあの頃より強くなったわけじゃない」。良い意味で賀喜遥香ちゃんはずっとあの賀喜遥香ちゃんだと思った。

 ついこの間の10thバスラでも『悲しみの忘れ方』やMCでも泣いてた。何かと涙を流す場面が多いけれど、推しとしてそれに慣れることは一生ないと思うし、その涙一つ一つに真剣に向き合ってあげたい。純粋で繊細で、脆そうに見えるけど本当に強い人だと思う。うん、多分話逸れた。 



 今年の夏を締めくくる、本編最後のMC、特に3日目のスピーチには”賀喜遥香”が詰まっていた。

 これまで活動で苦しくなったり行き詰まる時もいっぱいあった、でも今回は30枚目という大事な節目、変化を迎えた今の乃木坂、そんなタイミングで任せられた2度目の表題センター、本格的に「あなたは乃木坂ではこういう立ち位置です」と急に告げれたようで、しかも全国ツアーの座長として先頭に立ってグループを引っ張らないといけない。個人としてもグループとしても立ち向かわないといけない大きな壁、今までとは求められるもののスケールが違いすぎる、プレッシャーも尋常じゃない、残酷だなと思った。 

 でも今回のツアーを通して、今まで常々発して来た言葉を今回も、そしてより力強く、真っ直ぐに語ってくれた。

「今回、全国ツアーで回らせていただいて、本当にまず一番に思ったのは、いろんな愛を感じたなというのを今ここに立って思って。」

「それを目にした時に、私たちってこんなに愛していただいていたんだとあらためて思いました。」

「こんなに愛にあふれている場所、他にあるのか?っていうぐらい、この乃木坂46が温かくて。この環境は当たり前じゃなくて、今まで先輩方が乃木坂のために、スタッフさんのために、応援してくださっているファンの方々のために、そういう気持ちを持って活動を積み重ねて来てくださって、こうして、私たちはここに立てているし。そういう思いが詰まって、生まれたものというのを、身に染みて感じたので。この場所をこれから先も、大切に守りたいなと思ったし、これから入ってくる後輩の子とか、ずっとずっと先まで、つなげていきたいなと思いました。」


 どんなに辛くても「愛」を原動力に突き進む賀喜遥香ちゃんらしい、「愛ってこんなにも力があるのか」をそのまま体現したようなスピーチだった。
そんな彼女の真っ直ぐな姿と宝石のような笑顔が輝いた『君に叱られた』、涙と笑顔が綻びるメンバー、460発の花火、秋元真夏キャプテンの愛の溢れた”宣言”。
 乃木坂の愛と、幸せに満ち溢れた空気感を存分に感じた夏だった。






 初めてリアルタイムで見たライブが2015年のツアーファイナル神宮だった。その時に感じた乃木坂の愛の連鎖、絆、感動が、7年の時を経ても色褪せず脈々と受け継がれていて、今の乃木坂も大好きな乃木坂そのものなんだと改めて教えてくれた。乃木坂の愛に触れ生まれた透き通るように綺麗な愛が、乃木坂の愛と絆を嫌という程感じさせてくれる、大好きだった乃木坂も今大好きな乃木坂もこれからも大好きな乃木坂も、全部繋いで包んでくれている、勝手にそんな気がしてる。

 そんな乃木坂46の賀喜遥香が、賀喜遥香がいる乃木坂46が大好きだ。

2015年年8月30日~31日 真夏の全国ツアー2015  明治神宮野球場
2022年8月29日~31日 真夏の全国ツアー2022  明治神宮野球場



 メンバーになっても尚乃木坂を語るとすぐファンが出てしまうし、メンバーの優しさや愛に触れたらすぐ涙が出るし、卒業するメンバーがいれば忙しいのにいつも似顔絵という自分なりの愛で返そうとする、愛で溢れすぎていて時々心配になる程、賀喜遥香は「愛」の人だ。


 そんな彼女がこの先、より伸び伸びと、今まで以上に笑顔でいてくれて、乃木坂での人生を心の底から楽しめる事を願っている。






─────追記


2023年2月26日、これまでグループを引っ張ってくださっていた二代目キャプテン秋元真夏さんの卒業コンサートが行われた。

その中で唯一、真夏さんがセンターをやらなかった曲が「好きというのはロックだぜ」だった。その選曲理由と何故センターでやらなかったのかを、卒業コンサート振り返りトークで言及していた。

続いて「好きというのはロックだぜ」

この曲は唯一、多分この私の卒業コンサートで“センターを変えないでやりたい”って言った曲で、かっきーがセンターのままやらせてもらいました。

卒業コンサートなので“真ん中に立った方が良いんじゃない?”って言ってもらう事が多くて、センターを務めさせてもらった曲がほとんどなんですけど、この曲だけはどうしてもそこを譲らなかった理由が、そういえば言ってなかったなって感じなんですけど(笑)。

去年のツアーの時にかっきーがこの曲でセンターを務めて、座長としてライブを引っ張ってくれて、その当時私はもちろんキャプテンとして自覚を持ってやっていたけど、ちょっと気持ちが揺らいじゃう事があったり、どうやって進めていくのが正しいんだろうって、分からなくなってしまう瞬間があったりしたんですけど、そんな時にちょうどかっきーがセンターに選ばれて、この曲で踊って引っ張ってくれてる真っ直ぐな姿に、本当に力を貰って、この子なしでは私はその後の乃木坂楽しく活動できてなかったかもしれないって本気で思うぐらい助けてもらったので、そのままセンターでかっきーにはこの曲を引っ張ってもらいました。それぐらい本当に大切な曲です。
#秋元真夏 が語る卒コン振り返りトーク『ENCORE』



その真夏さんの愛をを返すかのように、ライブ中では4期生を代表し真夏さんへこのようなメッセージを贈る一幕があった。

賀喜:
緊張しますね、ここ。
改めましてご卒業おめでとうございます。

4期生にも愛のこもった言葉を沢山かけて下さって、この間の4期生ライブもこういうところが良かったとか言葉に出来ないけど本当に良かったって凄い褒めてくださったのも私たちも、先輩たちがご卒業されていく中で私たちの力でどうやって進んでいけるかとか色々いっぱい考えて頑張ったので、本当に真夏さんの顔を見ただけで安心しましたし、その言葉が聞けて嬉しかったです。

褒めてくださる時もあれば、ここはもっとこうした方が良いよとか、こういうところが足りてないと思うからこうした方が良いよとか、そういうことも教えてくださるし、何でこんなに愛を頂いていいのかとか、何かお返し出来たらいいなとずっと思うくらい嬉しかったし、私個人としても乃木坂に憧れてグループに入ってきたので、憧れるからこそこんな私がここに居て良いのかな?とか、こんな素敵な先輩方の隣に立って良いのかなとか思い過ぎて苦しくなることもあったんですけど、そういう時に絶対に真夏さんは笑顔で、去年のツアーも「かっきーがここに立ってくれてありがとう。嬉しいよ」って言ってくださったのが本当に嬉しくて。

真夏さんが居なければそこで絶対挫けて折れていたし、助けていただいた大切な言葉が心にいっぱい残っているので、これから先もその言葉を大切に持ちながら乃木坂46を守っていきたいなと思います。11年間お疲れ様でした。


秋元:
ありがとう。背負いすぎないでね。十分頑張ってるから。
秋元真夏卒業コンサート 4期生を代表しメッセージ


秋元真夏卒業コンサート『好きといのはロックだぜ』




私にとって真夏さんの存在はとっても大きくて
真夏さんがいるから、その素敵な笑顔が見たいから頑張れるくらい心の支えで

とっても寂しいけれど
大好きな先輩が作り上げてくださったこの場所を大切に守っていきたいと、
背中を見ながら、思いました。

これからも精一杯頑張ります
お手紙も、一生大切にします
賀喜遥香ブログ 2023.03.06




「かっきーがいなかったら...」
「真夏さんいなければ...」

正に愛の連鎖が生んだ奇跡だと思っている。


先日の卒アルラジオでも、真夏さんが以前同期や今は3期生たちと後輩の話をすると必ずかっきーの話が出てくると言う。

かっきーが笑ってると本当にみんなが楽しくなる。
卒アルラジオ(2023.02.26)
本当にお疲れ様。

そこにいてくれるだけで、いい(^^)
梅澤美波ブログ(2022.09.04)

与えられた立ち位置や負わされた責任、寄せられた期待に応える以上に、彼女は乃木坂でかけがえのないものを築いていた。


乃木坂に入ってきてくれて、頑張ってくれて、笑ってくれて、ありがとう。


そのあまりにも綺麗でまっすぐな愛が、この先もずっと守られる未来と世界でありますように。全人類の使命です(笑)


これからも、ずっと見守っています。




最後に



卒業間近である秋元真夏さんのインスタストーリーより(2023年2月8日)






2023.03.06

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