The Japanese Odyssey 2023 参戦譚 ~Prologue~
どうもこんにちは。
じーにょです。
2023年10月24日(火)から11月5日(日)まで開催されたThe Japanese Odyssey 2023について、出走に至るまでの経緯や出走にかけての準備・鹿児島でのpre eventも含めた走行譚を纏めたく、今回noteを初めて執筆しています。
どうぞお手柔らかに。
The Japanese Odyssey(以下、TJO)とは?
TJO公式ページから引用
以上の文章を、あえて翻訳ツールにかけてみた結果が以下です。
簡単に言うと、日本で開催される"何でもあり"のウルトラディスタンスイベントですね。
2015年から、コロナ期の2020~2022年を除き毎年開催されています。今年6回目。
発見、探検、自分自身への挑戦が目的なのは承知していましたが、まさかこれほどまでに深い森、小さな道、容赦ない上り坂だとは・・・・・
後日、身をもって体験することになります。
(真の孤独については、私がツイ廃であることにより回避できましたが。)
TJO詳細
もう少し詳細に、コースおよびイベント概要について触れます。
スタート:鹿児島県桜島
ゴール:青森県八戸市芦毛崎
距離:約2700km(実測2612km(フェリー47km含まず))
獲得標高:約45000m(実測40022m)
制限時間:300時間(12日半)
開催趣旨:日本の背骨を通るド山岳コース
世界10大ウルトラディスタンスレースの一つ
指定されたチェックポイント(CheckPoint, CP)/必須セグメント(MandatorySegment, MS)を14ヶ所全て通過する必要
参加者全員にGPS端末が貸与され、誰でも/いつでも現在地が確認可能
私の走行予定コース(処理重いので注意):https://ridewithgps.com/routes/44759107
錚々たる参加者たち
主催のフランス人2人(ただしEmmanuelは今回走らず日本観光、Guilaumeだけ走っていました)や落合さん、Marekなど錚々たるメンバーが勢揃い。
現地入りして初めて知り得た情報も加えると以下のよう。
Ochiai Shinkansen:言わずと知れた日本縦断ギネス記録保持者, 新幹線
Marek Rupinski:昨年のultra cycling世界チャンピオン(勿論プロ), Poland観光大使
Josh Ibbett:21'のUCI World Masters CX Championships 9位(つまりプロ), UK
Jana Kesenheimer:21'のThree Peaks Bike Race(2450km/39400m)女子優勝(多分プロ), Germany
(その他、Transcontinental完走者やNorthcape完走者など、聞けば聞くほどここが宇宙人の集まりだと自覚することになる。)
(今回、鈴木さん等がコロナでDNSだったり、出走しない方がエントリーリストに載っていたり、で結局出走した日本人は5人でした。外国人は多分45人ほど。)
その他、詳細な情報については私が以前にスライドで紹介していますので、そちらを参考にして頂けると良いかと思います。
https://speakerdeck.com/zinyo/ming-ri-karashi-eru-2700kmzou-rutamenoqing-xiang-todui-ce
(よければ、40hで600km走る方法についてもスライドを作成していますのでぜひ。)
https://speakerdeck.com/zinyo/shui-mozhi-ranai-ban-ren-ka40shi-jian-te600kmzou-rikireruli-ji
TJO準備編
さて、前置きはこれぐらいにして、いよいよ準備編です(まだ準備編かよ)。
TJOは、普段走るブルベ以上に準備することが非常に多いです。今思いつくだけ列挙すると、
通過必須のCP/MS以外のルート確定
ルート沿線のホテル/仮眠可能施設の手配/調査
各種電子機器やバッテリーの準備
様々な温度や天気に対応した服装の準備
ドロップバッグの準備(荷物送付後に、TJOでは基本ドロップバッグ禁止だと知りましたすいません。(一応全員が使えるサービスなので、使用可能とする解釈もありますが)次回から無しにします、とはいえ結局今回使用したのはバッテリーぐらいですね)
キューシート作成
土地勘の無い土地で走りやすいルートを引くのは非常に困難で、ルート確定までに多大な時間を要しました。山深い土地を走るので通行止めの調査だったり、また危険なバイパスの調査だったり、ルート確定にご協力頂いた皆さんにこの場を借りて改めて感謝します。
特に、中国山脈近辺や福島の奥只見、岩手あたりは100~200km以上街がないところも走るので、予め施設の有無について調査するのは必須。
電子機器はいつも通りedge530とetrex30xの2台体制。その他ライト3本(中華2本(18650運用)、RN2000を1本)、ヘルメットライトもいつものLedlenser H8R(18650電池運用)、撮影用にinsta 360 X2をハンドル前に新たにマウントしたのでその走行テスト等。こんな感じ。
4.気温に関しては、鹿児島(15~23℃)から青森(5~13℃)まで変化するのに加えて、野麦峠(1670m)・白布峠(1410m)などの高所も通過する必要がある(共にCP)。また、全天候にも対応できるよう様々な装備を用意。
実際には、0時の野麦峠で0℃、朝方の岩手三戸で1~2℃でした。最強のアイテムを途中で手に入れたので、気温よりは苦戦しませんでした(後述)。
5.ドロップバッグは、ライトのバッテリーや予備タイヤ・チューブなどを、予約している3つのホテルに送付(724km広島三次, 1298km福井武生, 1918km福島喜多方)。結果的にはバッテリー類しか使用しませんでしたが、ドロップバッグは基本禁止されていたようなので、次回からは使わずに挑もうと思います。すいませんでした。
6.キューシートについては、普段のブルベでも絶対に作成しているもの。
標高図に加えて、各地点の距離や各店舗の開店時間、温泉の距離や食事処の場所など、毎回オリジナルで作成している、ロングの際は本当に命のようなもの。
エクセルで作成したものを印刷、ラミネートしてステムに貼り付けています。
(このキューシートの作成が全部の準備の中で圧倒的に大変です。)
TJO現地入り/観光編
さて、諸々の大変な準備(仕事調整含む)を終わらせていざ鹿児島へ。
TJOのスタートは10/24(火)8:00@レインボー桜島 ですが、私は10/21(土)の朝に羽田から鹿児島に出発。
このホテルを3泊予約して、時差ボケに備えます(そんなものは無い)。
参加者専用ページのFacebookページを覗くと、既に何名かの外国人が鹿児島に到着しているようです。
最初に誰に会うだろうか、と心を躍らせます。
予定ですが、土曜は着いてから観光、日曜は人生未踏の佐多岬に行きたいのと、月曜は午前中はpre event、午後はブリーフィング予定です。
(ここからは、実際のtwitterの写真記録も交えながら執筆していきます。)
鹿児島に着いてから少し観光をば。
後々、熊に会うというフラグを立てつつ宿に到着します。
自転車を組み立てて桜島の展望台へアタック、特に自転車も問題なさそうで一安心です。
(フラグ建築again)
TJOがスタートする前の、所謂、嵐の前の静けさを堪能しながらの食事を頂きます。
キングオブコントよりもその前の歴代王者たちのコント番組の方が100倍面白いなー、とか思いつつ、翌日の日曜。
・・・
朝から釜炊きのご飯を頂きつつ、佐多岬を目指します。
途中、鹿児島湾の綺麗な青と鳥居の赤のコントラストが見事な場所で休憩を取りつつ(東京湾の腐った色とは違うな、などと思いながら)、
正午ごろ、佐多岬到着です。
大隅半島から薩摩半島へとフェリーを使って渡るため、佐多岬からフェリー乗り場へと北上中にこんな看板を見つけました。
TLには自転車で宗谷岬まで行った人いっぱいいるなぁ、と思いを馳せます。
その後は、
根占-山川フェリーを使いつつ、
夕食の時間に間に合わないので、有人駅日本最南端の駅から輪行で鹿児島中央駅を目指します。
鹿児島中央駅に向かう電車の中で、今回のTJO参加者に初めてエンカウントします。
巨大な飛行機輪行用段ボールを、大きすぎて片側しか持てないので片方を引きづりながら、何故か喜入駅から乗ってきた彼。
『いやいや、空港はこの電車の終点からさらに先だぞ、何故こんな所でこんな状態のまま乗ってきたんだ?』
と訝しげつつ、”英語で”声をかけると、
「そうだ、俺はTJO参加者だ、君もそうかい?」
彼はBruno。ベルギーからの参加者。(写真一番右)
参加者の中でもかなり陽気で明るく接しやすい。
・・・
そうだ。
TJOは、日本で開催されるイベントではあるが、日本人はたった5人。
その他45人は全て外国人で埋まっている。
つまり、日本に居ながらにして公用語は英語。
主催者のフランス人2人とのコミュニケーションも全て英語だ。
幸い、大学一年の時にイギリスに1ヶ月半留学をさせてもらったおかげで、意思疎通ぐらいの会話ならできる。大学三年の時に長野の白馬で4ヶ月近く、スキーの居候をしつつ英語環境に身を置いたこともある。
その他、一応大学ではスキーサークルの他、英語ガイドサークル(浅草とか皇居周りの外国人を捕まえて英語でガイドする)にも入っていたり、西麻布の外国人向け居酒屋でバイトしてたりもした。
本当にありがたい。
・・・
そんなことを思いつつ、Brunoはホテルが鹿児島市内とのことで別れ、
宿で夕食を頂き、温泉に入る。
明日はついに、TJOのpre event(ツールド桜島)とブリーフィングだ。
スタート時刻が刻々と近づいている事実に若干の緊張を覚えながら、まずは明日に備えつつ眠る。
・・・
・・・
まだTJOはスタートしてないです、すいません。
それどころか、pre eventのツールド桜島やブリーフィングさえも始まってませんw
皆さんが見たいのは多分TJOスタート後だと思うので、
しばし、ただの観光記にお付き合いください。(スルーしてもいいよ)
・・・
続く
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