日本のSocialレンディング先駆者の行政処分が意味するところ
日本のSocialレンディング先駆者のmaneoが金融商品取引法違反行為で行政処分されるとのこと。実は6/21日にすでにNHKや毎日新聞が金融庁への処分勧告などを検討していると報じられており、一部で注目が集まっていた。
https://mainichi.jp/articles/20180621/k00/00e/040/302000c
maneoのプラットフォーム上でsocialレンディングを行うことで銀行がリスクを取れないようなハイリスクな企業への融資にも市場を作った点で一目おかていただけに今回の一件は残念だ。今回処分が行われたのはmaneoの事業の中でもファンド型の商品で、いわゆる「投資型クラウドファンディング」と呼ばれていたもののようだ。「投資型クラウドファンディング」は 有価証券の公募における情報開示の適用が除外されている点にその特徴がある。小規模な金額であれば情報開示義務を免除されるので、資金調達者の負担が軽減されるというのがこの商品のポイントだ。記事にもあるように逆にその情報の不透明性が今回の処分に繋がったと言って良いだろう。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32672970V00C18A7MM8000/
maneo経由の融資先で起こってる問題は、実は上記で報じられている以外にもある。TSRによるとmaneoの融資先の太陽光パネルの誘致事業を行う会社に最大15%の金利で融資したという。しかしこの会社の太陽光パネルオーナーへの支払いが遅延するなど、会社運営上での問題が指摘されている。
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20180705_03.html
今後のP2P・クラウドファンディング市場は
さて,meneoの今回の失態のもたらす、今後のクラウドファンディング・P2P事業における影響を考えたい。矢野経済研究所によると2016 年度の国内クラウドファンディングの市場規模は前年度比 96.6%増の 745 億 5,100 万円(新規プロジェクト支援額ベース)と拡大しているという。
http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0456437_01.pdf
一方、maneoの国内ソーシャルシェア業界のシェアは2015年時点61%(矢野経済研究所調べ)であり、影響は避けられないだろう。これほどシェアベースで大きな存在感を持つ会社がおこした失態は、今後の行き先に対して大きな影を落とさざるを得ない。
最後に明るいニュースにも触れておこう。P2Pレンディングでは、バングラディシュ発のP2Pレンディングの開拓者であるグラミン銀行の日本上陸が話題となった。今後の盛り上がりに期待したい。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO22932580R31C17A0EAC000
参考リンク
FSA(証券取引等監視委員会)の勧告内容が出ています。
(1)ファンドの取得勧誘に関し、虚偽の表示をした行為
= 株式会社JCサービス(グリーンインフラレンディングの親会社)のファンドの掲載内容について事実と異なるものがあるにも関わらず放置した点。
(2)maneoマーケット社の管理上の問題点
= ファンド資金の使途などの確認を株式会社JCサービス(グリーンインフラレンディングの親会社)に任せっきりで管理が甘かったこと。
の2点が是正内容鵜のようです.
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