転職動機+外資コンサル面接対策 (フェルミ、ケース)
本日は外資系コンサルを目指す方々への有益な情報をお届けしたいと思います。私自身、この度MBB(マッキンゼー/BCG/ベイン)の1つで勤務する機会を頂きまして、総合商社から外資系コンサルへ転職する人間です。転職活動をしていた際に準備したことや、内定するまでの過程でこれは重要だと思ったことをシェアできればと思っております。
この記事は以下のような方を対象としております;
● これから外資系コンサルへ転職したいと思っている人
● 今まさに外資系コンサルへ転職活動中の人
● 外資系コンサルそのものに強い興味がある人
大変恐縮なのですが、本記事は途中から有料記事とさせて頂いております。理由は3つです。
● 私が約1年間かけて自分で考え付いた知識が含まれていること
● なかなかに労力かけて書いていること
● フェルミ推定、ケース面接の実体験に基づく対策は希少性が高いこと
それでは、本日も宜しくお願いします。
本題に入る前に本記事の全体感を先にご紹介しておきます。大変恐縮ですが、Chapter 4から有料記事とさせて頂きます。
Chapter 1. 自己紹介
1-1. 何故総合商社をやめたのか?
1-2. 転職のきっかけは?
1-3. 何故外資系コンサルなのか?
Chapter 2. 外資コンサル転職への心構え
2-1. 転職活動を始める前に持つべき心構え
2-2. 外資コンサル転職市場の現状
Chapter 3. 外資コンサルが求める人間
3-1. 外資コンサルが求める人間
3-2. 転職エージェントの利用方法
Chapter 4. 筆記試験対策
4-1. 筆記試験の難易度と対策
Chapter 5. フェルミ推定 (例題回答付き)
5-1. フェルミ推定とは
5-2. なぜフェルミ推定を面接でするのか?
5-3. フェルミ推定の極意
5-4. 練習問題
Chapter 6. ケース面接対策 (例題回答付き)
6-1. ケース面接とは
6-2. ケース面接の極意
6-3. 練習問題
Chapter 1. 自己紹介
1-1. 何故総合商社をやめたのか
まず簡単に私の経歴を紹介させて頂きます。新卒から総合商社で勤務していまして、この度MBB(McKinsey、BCG、Bain)の内の1つで働くことになりました。
総合商社から外資系コンサルへ転職した理由ですが、これは一言で言うと、自分のこの先の人生にもっと可能性の幅を持たせたいと思ったからです。20代の内に自分をもっとストレッチさせる環境に飛び込むことで自分キャリアにレバレッジを利かせたいと考えたからです。
総合商社って一度入社すると実はあんまり社内異動が出来ないんですよね。そして、突然のタイミングで海外駐在を言い渡されたり、自分が望んでいないプロジェクトにアサインされたり、自分のキャリア形成に「運」が占める部分があまりにも大きすぎると感じるようになりました。
同期の中でも若いうちからニューヨークやロンドンに長期駐在している人間もいれば、いわゆる中東のちょっと危ないところにずっと張り付かされている人間もいる。でもこれって実力の問題とかでは決してないんですよ。自分が配属された部署の都合次第なんですよね。もっと酷い時には上司と馬が合うかどうかで駐在先が決まってしまうことなんて日常茶飯時です。ちなみに私はエネルギーの部署に所属していました。
確かに総合商社は社員への待遇がとても良いです。給料も高いし、世間的な評判も高い。親も誇りに思ってくれる。でも、僕は、人生を通してもっと色んなことにチャレンジしたかったし、何よりも自分で自分の人生の舵を取れないことに嫌気がさして総合商社から飛び出すことを決意しました。
自分が住むところは自分で選びたいし、好きな人とはずっと一緒にいたいし、自分が心からやりたいと思ったことに全力を傾けたい、そんな(若干子供っぽい)思いを胸に外資コンサルに転職しようと考えました。
1-2. 転職のきっかけ
転職のきっかけは総合商社勤務時代に経験した海外駐在です。僕の場合、海外駐在がかなり過酷でした。しかも悪い意味での過酷さです。僕は中国に駐在したのですが、そこでの仕事は日系巨大メーカーの中国支社を担当するマネージャー業務でした。
まぁこの日系メーカーさんがかなり酷くて、いわゆる「商社いじめ」をしてくる人達だったんですね。例えば、僕にだけ知らされていない重要な情報があって仕事で恥をかかされたり、大勢いる前で理不尽に罵倒されたり、用務員さんがいるのになぜかトイレ掃除をやらされたり、いじめ方は非常にバラエティに富んでいました。笑
でも、会社としてはメーカーさんから毎年何億円ものお金をもらっている立場なので、何が何でも耐えなければならないと当時の僕は考えていて、自分の精神を犠牲にしながら日々を過ごしていました。そしてこの過酷な日々を過ごすうちに、自分の中で大きな疑問が次々生まれたのです。
何故、こんなしょうもない会社がでかい顔しているんだろう?
大企業でこのレベルなのか?
何故、私の会社もこんな会社と馬鹿みたいに取引しているんだろう?
何故、思ったことを言ってはいけないのでろうか?
正直そのメーカーで働いている人達はお世辞にも能力が高いとは言えませんでした。極めて非効率な経営体制、下請けいじめ、商社いじめ、会社の利益を最優先にしているとは到底思えない行動を私は沢山、沢山、現場で目の当たりにしました。極めて昭和体質の企業でした。
私の働いていた総合商社だってそうです。なぜ日本を代表する総合商社ともあろうものが、こんな会社と取引をしているのか。なぜ向こうの言っていることがおかしいのにペコペコしなければならないのか。毅然とした態度で社員を守ろうとは思わないのか。自分の会社に対する不満もどんどん募っていきました。
僕にも半沢直樹みたいな度胸があればなぁと本気で思っていました。笑
で、ある時思い切って僕は上司に言ったんです。「もう我慢の限界です。彼らが大事なクライアントであるということは分かっていますが、僕は真正面から彼らに抗議します!」と。その時上司には必死に止められました。笑
そしたらびっくり、その2日後に東京本社への帰還命令が出たのです。そして、2週間の休暇を与えられた後、何事もなかったかのように東京本社での仕事がまた始まりました。怖いくらい何事もなかったように次の生活が始まったんです。
僕は本当に複雑な気持ちになりました。東京本社は居心地が良いし、優秀な人が多いから仕事もそこまで辛くなく、そして楽しい。でも、海外駐在時の問題は何も解決されないまま僕は会社の命令に従い東京に戻ってきた。でもこれでよかったのか?これが僕がなりたかったビジネスマンなのか?自問自答を繰り返す日々が続きました。
次第に、このような日本企業同士の謎のしがらみから解放されて生きていきたい。長いものに巻かれず、自分の信念に従って毅然とした態度で社会を渡り歩ける強いビジネスマンになりたい。自分の人生は自分で選びたい。そう思い、転職を志しました。
1-3. 何故外資系コンサルなのか?
理由はシンプルです。とにかくIndependentな人間になりたかったのです。その会社でしか生きていけない人間に価値はない。この先の人生、どんな企業でもどんなビジネスにおいても、コンスタントに高い価値を提供できる人間になりたいと考えました。
海外駐在していた時、僕が強い人間であれば、すぐに会社をやめることだって出来たと思うんです。でも僕にはそれが出来なかった。会社をやめて何をすればいいか分からなかったからです。でも、常に自分がいる場所がベストな訳はないし、いてはいけない場所に自分が気付かないうちにいることだってあります。それをすぐに見極めて、必要であればすぐに辞めることができる自信と自負が僕には必要だと考えました。
これを達成する上で最も良い環境だと思ったのが僕の場合は外資系コンサルファームでした。20代最後に思い切り自分をストレッチさせてやろうと考え、これまでない自己成長を求めて、チャレンジしました。
Chapter 2. 外資コンサル転職への心構え
2-1. 転職活動を始める前に持つべき心構え
まず、外資コンサルへの転職を目指すにあたり、必ず受け止めなければならない現実があります。それは普通にめちゃくちゃ落ちるということです。
仮に10社を受けたとして、本当にしっかり準備した結果1,2社から内定をもらえれば、それは成功と言ってあげるべきでしょう。
外資コンサルの中途採用は1年間のいつでも自由に応募することができます。だから、会社側も焦って採用する必要はないですし、じっくり時間をかけて応募者を評価します。それだけ、応募者と会社にミスマッチが起こらないよう細心の注意を払っているということです。
だから外資コンサルを受ける際は、しっかり準備をしましょう。そして落ちても必要以上に落ち込まないようにしましょう。一度落ちでも2年経てばまた受験資格をもらえます。本当に行きたいのであればまた2年後に再チャレンジすればよいのです。
2-2. 外資コンサル転職市場の現状
私見も入っておりますが、外資系コンサルファームの転職難易度を下記の通り記載しておきます。
マッキンゼー / ベイン / カーニー
----------------------最難関----------------------
BCG / ローランドベルガー / Strategy&
-----------------トップファーム-----------------
IGPI / DI
----------------日系独立系ファーム-------------
デロイト / アクセンチュア / KPMG
----------------総合系ファーム------------------
まず、特筆すべきはBCGの難易度が以前と比べると若干下がってきているということです。これはコンサル転職市場全体に言えることですが、日本オフィスの拡大に伴い積極的に人を増やしています。その中でも特にBCGの採用人数の増え方は群を抜いています。もともとあった赤坂のオフィスでは手狭になったのか、最近日本橋にオフィスを移転しました。ただ、それでもBCGはBCGです。確かに最難関とまでは言えなくなったかもしれませんが、依然として難関ファームであることには変わりありません。
なぜ、コンサル業界が全体的に日本オフィスの人員を増やしているのかについて簡単に触れておこうと思います。それはクライアントの求めるものが変化してきたためです。これまで上記に列挙しているようなトップファームは大企業の全社戦略(CEO等に助言をする立場)に深く関わる仕事をしてきましたが、最近は助言をして終わるのではなく、クライアントと一緒になって実行フェーズまでお手伝いすることが増えてきました。というより、クライアントがそこまで求めてくるようになったのです。そうなると、コンサルファームももっと手を動かしてクライアントと一緒に汗をかく仕事が増えてきたために人手がもっと必要になったということですね。
ファームにもよりますが、平均して全体の6-7割くらいが実行フェーズの案件になってきています。
ただ、そんな状況の中でも、全社戦略のみに特化している少数精鋭ファームがあります。それがベインです。彼らは時代の流れに乗るわけでもなく、神髄である全社戦略にリソースを集中し続けるファームです。規模も小さいので採用人数も少ないです。もしかしたら、マッキンゼーよりも入社難易度は高いかもしれません。
Chapter 3. 外資コンサルが求める人間
3-1. 外資コンサルが求める人間
あえて一言で言うなら「物事を考える力に優れた人間」です。前職の経験等はそこまで重要視されません。そんなことよりも、この人は物事を考え抜ける人間なのか?、どんな局面でも考えることを諦めない人間なのか?という点の方が200%重要視されます。
これを見極めるために、コンサルファームはケース面接のような特殊な面接を実施しているのです。
実際、ファームで働いている人間のバックグランドは極めて多種多様です。私のように総合商社出身の人間もいれば、メガバンク、証券会社、投資銀行、他コンサル、大学教員、メーカー、大学院卒などなど。どのバックグランドが外資コンサルに向いているかというものは存在せず、そこで働く人間が共通で持っている能力が「考える力」です。バックグランドは正直何でもいいのです。コンサルは仕事の性質上、クライアントが抱えているあらゆる問題に対処する必要があるので、できるだけ多種多様なバックグランドを持つ人間を確保しておきたい意図があります。そして、プロジェクト毎に最適なチームを構成し、仕事にあたるのです。
マッキンゼーが求める人物像については下記書籍が非常に分かり易いです。マッキンゼーで人事をされていた伊賀さんが書いた有名な書籍です。
3-2. 転職エージェントの利用方法
私の個人的な意見ですが、転職エージェントは利用したほうがいいでしょう。彼らは業界動向等を普段から情報収集しており、我々に共有してくれます。信用できる転職エージェントを見つけて、二人三脚で転職活動をすることをお勧めします。
特にESの添削については強力なサポーターとなってくれるはずです。ESって友達に見てもらうのはちょっと恥ずかしいですし、とはいいながら客観的な意見は欲しいですよね。そんな時は転職エージェントに見てもらうのです。彼らは何百人という人間のESを見ていますし、非常に中立的で効果的ななアドバイスをくれます。私自身、ESの書き方や内容については転職エージェントの方に何度も見てもらいながら作成しました。
あと、最初に申し上げた通り外資コンサルファームへの転職活動をしていると、自分が思いもよらないところでお祈りされたりするんです。笑
エージェントはその時の相談相手にもなってくれますし、自分をモチベートしてくれる存在でもあります。彼らは落ちた人を死ぬほど見てきているので、「そんなことで落ち込んではダメ!」と愛のあるサポートをしてくれるエージェントもいますので、是非皆さんも色んな方と会ってみて自分に最適なエージェントを見つけてみて下さい。
Chapter 4. 筆記試験対策
4-1. 筆記試験の難易度と対策
この章では外資コンサルファームへの転職における第一関門「筆記試験」について情報を共有させて頂きたいと思います。
まず、最初に言っておきます。外資コンサルファームの筆記試験の足切りは非常に高いです。ここで落とされたら悔やみに悔やみきれません。ここは心を鬼にして納得がいくまで対策をしましょう。筆記試験の対策はいくらしてもいいくらいです。本当です。
大事なことは、難易度が高いのではなく、足切りが高いということです。つまり、準備さえちゃんとすれば誰でもできるようになります。むしろ、しっかり課題に向けて準備ができる人がどうかを筆記試験で見られているといっても過言ではないでしょう。
大事なことなのでもう一度言います。筆記試験対策は限界までやりましょう。ここで落ちたら泣くに泣けません!
ここで朗報ですが、最近外資コンサルファームは効率的な採用活動を目指す一環から、独自作成問題を課さなくなりました。昨年までは、マッキンゼーとベインが独自作成問題を課しており、数多の転職リーマンを泣かせてきましたが、今は他社と同じ共通のウェブテストになっています。
以下の各試験の様式に関して、しっかり準備するようにしましょう。参考書籍も載せておきます。これで全てのファームのウェブテストをカバーすることができるはずです。(たまにいきなり試験様式を変えたりするので、そういった情報を入手するためにも転職エージェントを利用しましょう。)
玉手箱
SPI3
TG-WEB
これらの書籍を2,3周すれば準備はばっちりでしょう。しっかり自分で時間をシビアに計って、自分に厳しく練習するようにしてください。
冒頭で言った通り、足切りが相当に高いです。だから、時間が足りなくてと最後まで行けなった時点で受かる可能性は低いと考えた方がいいです。一つ一つの問題は簡単です。ただそれを制限時間内でスピーディに解いていくことが難しいのです。スピードを上げるにはひたすら慣れるしかありません。
勿論、まずは本命ではないファームを先に受けて、本物のウェブテストに慣れておくというのも立派な戦略です。私の場合はMBBが本命でしたので、まずはそれ以外のファームから受けていき、ウェブテストや面接に体を慣れさせていきました。
★電卓を使いこなす重要性
WEBテストは自宅受験型なので、パソコンの画面に向かって紙と電卓を用意して試験に臨むことになると思います。試験は言語と非言語の2つに分かれますが、やはり難易度が高いのは非言語かと思います。
非言語をスピーディに解く秘訣、それは電卓と友達になることです。電卓の使い方に慣れているかどうかで問題を解くスピードは相当変わります。非言語も一つ一つの問題は簡単です。時間をかけさえすれば誰でも解けるものしか出題されません。電卓の機能をフル稼働して効率よく解いていきましょう。上記で紹介した書籍にも電卓の使い方は記載されていますが、下記サイトでも色々紹介されているのでご興味ある方はご覧ください。
Chapter 5. フェルミ推定
5-1. フェルミ推定とは
今ではフェルミ推定の市販本が沢山出ているので、きっとフェルミ推定がどんなものか知らない方は少ないと思いますが、一応説明します。フェルミ推定とは、絶対に正確な答えがない問いに対して、自分なりの理論を積み上げ、確からしい答えを出すことです。つまり、答えのないクイズですね。
例えば有名な所でいくと以下のような問題です。
日本にある電柱の数は?
東京のタクシー運転手の何人?
1年間の羽田空港の売上はいくら?
本番では上記のような質問に対して、だいたい5分間くらいで考えて、答えを面接官にプレゼンしなければなりません。もし答えまでたどり着いていなくても、あなたがどんな考え方でこれらの問題に向き合ったかを説明しなければなりません。
でも正直なところ、これらのフェルミ推定の問題を言われた時に最初に思うのは「そんなの分かる訳ねぇだろ!」ですよね。笑
でも、それでいいのです。まずは、フェルミ推定に正解なんてないということを理解した上で問題に取り組みましょう。実際、私もフェルミ推定の問題に取り組むときは「そんなもん知るか!」と心の中で1人ツッコミを入れてから考え始めていました。
フェルミ推定で多くの人が陥りがちの罠があります。フェルミ推定の問題を解く時に、多くの人が答えを出すことに夢中になりすぎてしまい、途中のロジックが中途半端になってしまうことがよく起こります。
フェルミ推定は決して計算力を試す問題ではないのです。答えのない問いにいかに説得力のあるロジックを丁寧に当てはめることができるかを見るテストです。答えが最後まで出せなくても、途中のプロセスがしっかりしていれば面接に受かる可能性は極めて高いのです。
実際、私は計算が人より得意だったこともあり、フェルミ推定をする時に素早く計算して答えを出すことにこだわっていた時期がありました。そして、自分の手応えとは裏腹に1次面接で落ちまくる時期がありました。笑
自分でもどうしたら良いか分からず、元コンサルタントの方に相談したところ、「君は自分の計算力に頼りすぎている。フェルミ推定で見ているのは計算力でも計算するスピードでもない。一つ一つの考えにしっかり説得力のあるロジックをつけれる人間か。細かいことでも諦めずに考え抜ける人間かを見ている。」とアドバイスを頂き、自分のフェルミ推定への取り組み方を大きく変えることが出来ました。
答えのない問いに対して、いかに説得力のある答えを見出すか、自分と向き合っている面接官に対して、どうすれば自分の答えを納得してもらえるような説明が出来るのか、その力を見極めるのがフェルミ推定の面接です。
5-2. なぜフェルミ推定を面接でするのか?
なぜ外資コンサルの面接ではフェルミ推定をするのでしょうか。トップファームになればなるほど、求められるフェルミ推定のレベルが高くなります。私なりに、面接官がフェルミ推定を通して見ていると思われる要素を以下に記載しておきます。これらはコンサルタントになるために必要不可欠な適性であり、適性を見極めるためにフェルミ推定を面接で行っています。
● 答えのない問いにも臆せず挑む力
● ロジックを自分でゼロから構築する力
● 自分のロジックを言葉で説明する力
● 計算力と思考の瞬発力
● 様々な角度から思考することができるか
上記を意識することに加えて、何よりも大事なのは、フェルミ推定を楽しむことが出来るか?です。入社したらもっと難しい問題に挑まなければならないわけですから、フェルミ推定くらい楽しく乗り越えられる人間でないと、入社したところで働き続けることが出来ないということですね。
実際にコンサルタントになった後のことを想像してみましょう。あなたのクライアントは大企業のCEOであることが多いです。当たり前ですが、彼らはその道何十年のプロの中のプロです。そのプロに対して、価値ある意見をしなければならないのです。知識も経験も自分の何倍もある人間に対して、どうすれば価値ある意見を提供できると思いますか?
それに対する一つの答えはロジックです。ロジックこそが知識と経験を凌駕するのです。誰が見ても納得できる、正しいと思えるロジックを最後まで諦めずに考え抜く力がコンサルタントには求められるのです。だからこそ、フェルミ推定を面接で行って、候補者の論理的思考力を確かめるわけですね。
余談ですが、意外とフェルミ推定はやってみると楽しいです。本気で練習していると、そのうち目に入る物全てをフェルミ推定するクセができてきます。これを私は「フェルミ病」と呼んでいます。笑
フェルミ病になるまで練習したらあなたのフェルミ力は相当仕上がっていると言えるでしょう。
巷ではフェルミ推定の本や外資系コンサル面接対策のような本が沢山出ています。まずは入口としてそういった本を読まれることは有意義なのでいくつか紹介しておきますね。
さて、ここで一つ明確にしておかねばならないことがあります。
上記のような対策本は非常に有意義なものですので、是非一度読まれることをお勧めします。しかし、これらの本に書いてあることを完璧にできるようになったからと言って外資コンサルから内定がとれる訳ではないことを理解して頂く必要があります。
なぜなら、面接官は上記のような対策本が蔓延していることを勿論知っていますから、面接ではむしろこれらの対策本をこなしただけでは答えられないような質問をしてきます。面接は大体40分くらいです。時間配分はざっくりですが以下の通りです。
0分 - 5分 :自己紹介
5分 - 10分 :シンキングタイム
10分 - 20分 :プレゼンタイム
20分 - 40分 :面接官との議論
上記の通り、面接官との議論が面接でのメインとなります。ここではあらゆる角度から質問が飛んできます。例えば、自分が考えた推定方法を一回全て忘れて、全く違うアプローチで推定する方法はありますか?などです。1つのお題に対して教科書通りの回答しかできない人はこの質問に困ってしまいますね。思考の瞬発力、思考の柔軟性を見られているのです。
このような面接官との議論(ディスカッション)を楽しめるか、ディスカッションをリードできるか、ディスカッションを通して新しい議論に発展させることができるか等も重要な要素になります。
5-3. フェルミ推定の極意
フェルミ推定をするうえで、守るべきルールがいくつかあります。これは、口で説明するよりも練習問題を解きながらの方が理解し易いと思いますので、とりあえず以下4つの項目を頭に入れておいてください。
● 要素分解
● MECE (漏れなくダブりなく)
● 推定の手触り感
● リアリティチェック
理解を深めて頂くために、次の章ではフェルミ推定の練習問題を紹介いたします。まずは、自分で考えて頂き、参考までに私の回答を参考にしてもらえればと思います。ここまで読んで頂いた方ならご理解頂いていると思いますが、フェルミ推定に絶対の正解はありません。10人いたら10通りの回答があります。
ただ、私は私のやり方で内定を頂くことができたので、外資コンサルの面接を通過する一つのレベル感として参考にしてください!
5-4. 練習問題
下記の問題を考えてみましょう。今後、他記事で様々な問題の回答を紹介していきたいと思います。
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