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SIGMA BF? Q3 43? Hasselblad? 次に恋するカメラの話

次のカメラに恋をしている。
いや、恋をしようとしている。

SIGMA BFが発表されたとき、胸の奥で小さな爆発が起きた。一塊のアルミニウムから削り出された、かつてない姿のカメラボディ。その姿は、深海から引き揚げられた未知の生物のような佇まいで、僕の物欲を刺激する。
世間では「デザインが革新的」「美しい」と称賛の嵐。でも、なぜか機能面について語る声は僅か。

僕らが求めているのは道具なのか、それとも美術品なのかと例の議論を思い出す。ちなみにどっちもでいいと思っている。

現在のメイン機はLeica M11
子どもを追いかけるシャッターチャンスに、両手でピントを合わせる余裕なんてない。結局、最高の一枚はいつも「あと0.5秒早ければ」という後悔とともにやってくる。
MFの操作も、実際は子育てという戦場では贅沢な時間だ。

他の機材というと、α7IIIは子どもたちのイベントなどに適したオールマイティに活躍。GRIIIは旅の道連れ。どれも素晴らしい相棒だけど、どこか満たされない空虚感がある。それは多分、カメラではなく、僕自身の中にある何か。

物欲だ。

Leica Q3 43を見たとき、「これだ」と思った。しかし、マップカメラで告げられた「納期半年」という言葉に、熱は一気に冷めた。半年後、自分の中の欲望はどこにあるだろう。きっと別の何かに惹かれているに違いない。

そして今、Hasselbladという高峰を仰ぎ見ている。「X2D」か「907X + CFV100C」か。この二択は、まるで「理性と感性、どちらを取るか」という哲学的命題のように感じる。

手ブレ補正という実用性と、アイコニックなフォルムという贅沢。この選択に悩む自分が、少し滑稽に思える。
カメラを選ぶのではなく、カメラを持っている自分の姿に意識が向いてしまう的な。

「何あのカメラ?」と問われる瞬間への密かな期待。

知人に相談しても、みんなそれぞれの意見で「わかる」とはなるが決定打にもっていけない。

一億画素の世界と手ブレのはざまで、僕の心もブレている。

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