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私が中日ドラゴンズ・草加勝を応援する理由
私は20年以上前からプロ野球が大好きだ。
シーズンになるとほぼ毎日欠かさず中継を見るし、見れない時はスマホの速報で結果を確認する。
私が中学時代、毎年どこかのメディアが「子どもに見せたくない番組ランキング」を発表していた。
『ロンドンハーツ』や『クレヨンしんちゃん』などがランクインの常連だったと記憶している。
ところが私の母は、「アンタにはプロ野球中継を見てほしくない!他のことを何もしなくなるから!」とよく言っていた。それほど私は野球観戦が大好きなのだ。
野球観戦は最も長く続けている趣味であり、もはや生活の一部である。
恥ずかしながら(?)私は20年間で何度か応援している球団の変遷があったが、今は中日ドラゴンズを応援している。長く低迷しているのが悔しい。
そんな中日に今、私が注目して応援している選手がいる。いわゆる推しというやつだ。
その選手とは、草加勝(くさか・しょう)という投手である。
今年、2025年シーズンに2年目を迎える大卒選手だ。
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草加は名門・亜細亜大学からドラフト1位で指名された。しかもロッテとの競合だ。
球団、そしてファンからの期待は大きかったはず。私も1年目から大活躍を期待した。
しかし、プロ入り後の新人合同自主トレ中に右肘の故障が見つかり、2月のキャンプイン初日にトミージョン手術という大きな手術を受けた。
この手術を受けると、投球再開までおよそ1年必要になると言われている。
つまり、1年目はプロ野球選手として稼働できなかったも同然だったのだ。
それではなぜ、私は草加を応援しようと思ったのか。
それは無料開放されていた、2024年11月のナゴヤ球場での秋季練習を初めて見に行ったことがきっかけだ。
1年目の苦難を乗り越えようとする草加の姿を、直接目にすることができたのだ。
手術から9ヶ月ほど経過し、まだ投球練習はできない状態ではあったが、草加は先輩たちに混ざって元気にノックを受けていたのだ。しかも、とても明るい表情も浮かべていた。
ドラ1とはいえ、1年目は活躍できなかった選手だ。テレビやメディアに取り上げられることもなかなか少なくなっていた。
だから、直接見た草加の表情や練習の姿勢が、とても強く印象に残った。
確かに投手らしい練習は満足にできなかっただろう。気持ちに焦りもあったはずだ。
でも、草加本人は困難と向き合い、乗り越えようとしている。
表情を見ると、きっと乗り越えられそうだ。そう思った。
後にラジオで知ったことだが、本人は元来前向きな性格なようだし、チーム内にいる同じ手術を経験した先輩・コーチからアドバイスも貰っていたそうだ。
今、草加が困難を乗り越えようとする姿を見届けられる。
草加にはどん底から這い上がって欲しい、中日で欠かせない選手になってほしい。
秋季練習を見て、不思議とそんな気持ちにさせられたのだ。
私は昔から、主人公やスターに熱狂することはあまりなかった。
何か困難を抱えながら、葛藤しながら、それでも上を向こうとする人に惹かれてきたのだ。
たとえば、私は『ハイキュー!!』という高校バレーボール部が舞台の漫画が大好きだ。
山口というキャラクターがいる。彼は主人公のいるチームで、1年生で唯一控えに回った選手だ。
それでも何かチームで誰にも負けない武器を身につけようと、OBとの特訓でサーブを徹底的に強化した。
その結果、彼はスタメンこそ掴めなかったが、ピンチサーバーとしてチーム内で確固たる地位を築いたのだ。
私の好きなキャラクターの1人だ。
かくいう私自身も、何か秀でた才能は今でも自分で思い付かない。
学生時代は文系の経営学部にいながら、手に職をつけることを目指してIT業界にプログラマとして就職した。
自分で選んだ道ながら、不慣れなプログラミングに苦労した。
それでも、同じく文系出身からプロジェクトリーダーになった先輩がいたので、それを支えに食らいついてみた。
その結果、リーダーにこそなれていないが、新人研修の講師を任されるくらいには成長できた。
自分の成長は大したものではないかもしれないが、私なりに困難に立ち向かって来れた成果かなと思っている。
『ハイキュー!!』で成長物語に胸を打たれた。
私自身も秀でたものはなくとも、社内で一つ自信を持てる立場を作れた。
そんな自分だからこそ、大きな壁にぶつかりながら上を向く草加に強く惹かれたと思っている。
草加の経歴を掘り起こすと、「実は高校時代は控え投手だった」とか「大学でも3年まで登板機会に恵まれなかった」とか、私が推したくなる背景が他にもある。
でも、1年目の手術を乗り越え、中日の主力となっていくことこそが私の見たい物語だ。
草加が1軍で大活躍する姿を、心から祈っている。
P.S.
今年(2025年)、私は初めて中日の春季沖縄キャンプに行くことができた。
草加は2軍メンバーに振り分けられていたため、2軍キャンプの読谷村にも行った。
しかし、到着したタイミングでは運悪く投手陣が別の施設に移動していたため、草加の練習姿を見ることはできなかった。
ところが、夕方に投手陣が読谷に戻ってくると、なんと草加の即席サイン会に参加できたのだ!
私は着用していた草加のユニホームにサインをいただいた。
推しを目の前にすると「頑張ってください」とか、ありきたりな事しか言えなかったのが悔しい。
それでも目を見て、「ありがとうございます!」と言ってくれた。それだけで十分だ。
こちらこそ、本当にありがとうございました!
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草加選手!まじでめっちゃくちゃ応援してます!!!