見出し画像

自転車保険の加入義務と個人賠償責任特約

子供が学校からもらってきたお手紙は大事なものなんだ、という心理をついた上手な保険商売。
つくづくやり方が汚いと思うのでまとめておきます。
※この記事は特定の保険商品等を推奨するものではなく実際に調べたことや個人的な想いを表現するものです


1.結論

あくまで個人的な意見ですが、火災保険の「個人賠償責任特約」でまかなえるので、自転車保険と言われるものへの加入は不要と考えます。

2.経緯

子供が通っている学校からお手紙をいただきました。(タブレット総合補償プランの件と同じ)

冒頭「兵庫県では自転車保険の加入は義務です!」と脅してきて、だから「自転車保険に加入しましょう」ときて、「ひょうごのけんみん自転車保険制度」を用意しました!という流れです。

もし、子供が自転車乗っていて加害者になったら賠償額えらいことになって大変ですよ!とあり得そうなケースへの対策が必要であることを訴えています。

賠償額事例は9,500万円!

3.自転車保険とは?

引受保険会社である損保ジャパンのサイトから引用すると、以下2つがメインのようです。

1.「賠償の補償」
自転車を使用している時に人にぶつかってケガを負わせたり、物を壊してしまったりして発生する、相手に対する法律上の賠償の補償です。

2.「自分のケガの補償」
自転車に乗っている際にご自身がケガをした時の備えも非常に大切です。

また、

加入義務化や、学校・会社からの要請によって、自転車保険に加入する方が多くいらっしゃいます。自転車保険という名前から、自転車利用中だけの保険と思われがちですが、実は自転車保険に付帯されている「賠償の補償」は、自転車事故に限らず日常生活で発生する事故に対しても適用が可能な場合があります。

と書いてあります。つまり、「個人賠償責任補償」のことです。そのうえで、損保ジャパンとしては自転車保険「UGOKU」を月980円の商品として展開しています。

まとめると自転車保険というのは
・個人賠償責任補償
・傷害保険(自身や家族のケガへの備え)
・ロードアシスタンス
・弁護士費用
をパック詰めしたものです。

4.自転車保険の必要性

上に書いていることはそれぞれ以下のようにまかなえます。

・個人賠償責任補償→火災保険の個人賠償責任特約で足りる。
・傷害保険→別で入ってる傷害保険で対応。または自治体が子供の医療費をカバー。高額療養費制度、限度額認定証などであえて傷害保険に入らない。
・ロードアシスタンス→これだけは自転車保険でしかないかも。そもそも必要なのか?
・弁護士費用→これも火災保険の弁護士費用特約で足りる。

ロードアシスタンスがほしいなら自転車保険に加入すべきですね。
逆に言うと、ロードアシスタンス不要なら加入する意味はない。

5.自転車保険の加入義務の真意

以下サイトで書いてくれています。

個人賠償責任補償だけあればよい、ということは多くの人が加入している火災保険の個人賠償責任特約でまかなえるということです。
やはり、追加で自転車保険に加入する必要性は限りなく低いです。ロードアシスタンス、そんなにほしい?

自転車保険の義務化と騒がれていますが、必ずしも「自転車保険」と名前がつく保険である必要はなく、事故相手への損害賠償が補償される「個人賠償責任保険」があればよいとされています。

価格.com


6.所感など

賃貸であれば火災保険は必須だし、マンションや戸建てに住んでるとしても火災保険には加入している人が大半なら、個人賠償責任特約つけたら済む話。
引受保険会社である損保ジャパンはわかっていてこの無駄な保険を、兵庫県交通安全協会→一般社団法人自転車安全対策協議会→学校と信頼されそうなルートで加入を促進している。やり方は上手で汚い。
仮に月980円だとしたら年間12000円くらい取られるわけです。本来不要なコストが保険会社や、上のルートのどこかに落ちるのです。
12000円あったら良いお肉買ってきて家で焼肉パーティーしたほうがずっと楽しい。

入らなくてもいいはずの保険に加入させて利を得る。これを考えて販売経路まで確保している人は本当に優秀。そして心底嫌い。
お墨付きを与えた兵庫県交通安全協会はきっと火災保険の個人賠償責任特約のこと知らないんだと思う。もうちょっと勉強してほしい。学校からも言ってやってほしいです。


いいなと思ったら応援しよう!