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{読書感想短歌*168} 恩田陸『七月に流れる花』

生まれます、死んでゆきます私たち そういう声で小鳥はうたう

umaremasu, sindeyukimasu watasitati souiu koede kotoriwa utau

致死率の高い感染症が流行したあとの世界。夏休みに、町から数名の中学生が選ばれて、〈お城〉に合宿にゆく。引っ越してきたばかりの主人公は、これがどういう集まりなのかも、何の意味があるのかもわからず不安なままついてゆく。その年頃の女の子みたいに、ひっそりと怖くて、不安定で、きれいなお話だった。

※小鳥は、としたけれどたぶん、歌いたかったのはにんげんのことだ。私たちのすべての活動は、ただそれだけを繰り返し唱えているのと同じことだとおもう。生きてるよ、いつか死ぬよ、でも今は生きてるよ、みたいなことを。

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