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にげる.com 2020の1 カジノディーラーの話

フィクションですのでよろしくお願いします。

さて、そんなカイジの世界みたいなところに飛び込んだわけだが、周りの人たちはまともな人が多くて少しイメージと違った。

もっとこう荒々しい方々がいらっしゃると思っていたんだが。
歳も20歳とかでみんな大学とか行ってたし、なんか最近の若い人はものすごくしっかりしてるって思った。
もちろんアウトローな人もいたんだけど、音楽とかの話が合って割と仲良しだった。
なんだかんだみんな草は吸ってたけど。
役割としてはディーラー、キャッシャー、ウエイトレス、キッチンって感じで普通のお店だ。

会員制でお客様も紹介でなければ基本は入れない。遊びにくれば食べ物、タバコ、飲み物(お酒も含む)全て無料。従業員も同条件である。足代ってのもあった。

細かいところだと最低ベット額とか換金手数料などもあるのだが、そういうサービス諸々込みで儲けにくる常連さんもいた。
バカラって計算してやったらトータルプラスはそんなに難しくないらしい。
でも、大きく負けるときもあるので冷静じゃないと厳しいと思う。

お客様も様々でこちらはイメージ通りな感じで夜関係の人とかが多い。
はっきり言ってこわいひとは多い。
そこに金が掛かっているので尚更だ。

それと個人的なことだが、方言というか言葉が違うので最初はかなり戸惑った。
なんか声大きい人も多いし、それを仕切るのでこちらもある程度声をはらなきゃいけない。さらにミスは禁物なので毎日緊張感を味わっていた。

準備ができてゲーム開始ですってなると、それを場面と呼ぶ。だいたい、ひと月位で場面に入ることを目指す。ここでだめな人もいます。たぶん向き不向きがある職業だ。
散々しごかれてデビューするが、基本声も出ないし、震えるし、怒られる。そうやって慣れてく。自分はそうだった。

とにかく場面に入りまくって、色々身につけるって流れで、できる人とできない人は
ものすごくはっきりする。
下手なディーラーは捌けない場面があるので大きくベットする、常に50〜100万単位で動く場面なんかは上手なディーラーしか捌けない。額や人や雰囲気で場面は変化するので急に難しくなったりするんで場面中はほんとに気が抜けない。

一回の場面は6〜8デックで、トランプ束の数である。それをシューターってケースにいれて始まり。その準備にシャッフルってのがあって、ショーカード、ヤキソバなど。これも多少練習します。
カードをきれいに見せたり、混ぜたり。

面白味は技術の上達にあった。
動きが練習するとどんどん綺麗になっていくのは楽しかったし、できないことができるようになるのは嬉しいことだった。
暇な時は練習なので苦手がなくなるように工夫していた。でも場面の中がなんだかんだ一番成長するらしい。

そんな感じでもうしばらく続きます。

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