次はあなたと【テオ・ヤンセン展】
※授業の一環で作成した記事になります。ぜひ、楽しんでいってください。
この間、山梨県立美術館に行ってきましたよ〜。
いつか一緒に県立美術館行きたいね、って話していたけど、今のご時世ではなかなか難しいから、今日は少しだけ美術館レポをしてみるね。
今やっている特別展が【テオ・ヤンセン展】ってやつ。
私もたまたま知ったのだけれど、多分これ、あなたが好きなやつだと思う。
先に言っちゃうんだけど、私は今回いまいち楽しみきれなかったのよ。
でも、あなたと行ったらもっと楽しかったんだろうな〜と思った。きっと私とは違う視点でこの展示を見て、たくさん感想共有してくれるだろうな、と。
だから、”あなたが夢中になりそうポイント”をいくつか抽出してみるので、ぜひあなたの感想で私を楽しませてください。(無茶苦茶)
まずはこの写真を見てね。(めっちゃ拡大して隅々まで観察してそう)
「ストランドビースト」っていう、”生命体” です。機械?何かの装置?って思うかもだけど、"生き物" です。
後ろに人がいるからわかるかもしれないのだけれど、結構大きいです。
お客さんたちが口を揃えて「(ナウシカの)オームみたい」と言っていて、まあジブリが苦手な私にとっては「?」という感じだったけど、きっとほとんどの人が「確かに!」と思うんじゃないかな。
オランダ出身のテオ・ヤンセンという人がいて、その人が作り出したんだって。テオ・ヤンセンは、物理学を大学で学んで、その後画家になったという少し変わった(?)キャリアの持ち主。「アート」と「科学」を融合させた作品を生み出していて、”現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ” とも呼ばれているみたい。
この時点で、ほら、好きでしょ?
で、そのストランドビーストなんだけど、ヤンセンさんが「新しい生命体を生み出したい」って思ったのがきっかけで生まれた生命体なのね。
プラスチックチューブが材料で、砂浜で風を受けて動くんだって。
オランダ語で「砂浜」を意味する「ストランド」と、「生命体」を意味する「ビースト」というふたつの言葉を合わせて「ストランドビースト」という名前になっているよ。我々でいうところの「人間」みたいなくくりで、色んな名前・個性を持った人間がいるように、ストランドビーストにも、色んな個性を持った子たちがいたよ。”十人十色” ならぬ、”十ビースト十色” ですね。
最初の写真に写っているのは、「アニマリス・ペルシピエーレ・プリムス」というビースト。
ちなみに、ビーストたちはみんな同じ苗字を持っているの。
「アニマリス(animaris)」っていうんだけど、英語で「動物」を意味する「アニマル(animal)」と、ラテン語で「海」を意味する「マーレ(mare)」を合わせたもの。おしゃれだね。
ビーストは、基本的に、砂浜という過酷な環境で生きるために、進化を続けてきたの。(ヤンセンさんが品種改良してきた感じだね)
ここから、私が入り込めなかった要因でもある「ホーリーナンバー」について説明するね。(あんまりよくわかってないけど)
ホーリーナンバーは別名「聖なる数」。かっちょいい。
ビーストの脚を構成するためにすごく重要な数字。以下、解説。
「ビーストの脚を構成するために、チューブの長さと位置関係を割り出す13個の基礎となる数字。ヤンセンはコンピュータ上で幾通りもの組み合わせを試し、数ヶ月かけて理想とする動きにたどり着いた。ホーリーナンバーを用いた脚の各部が往復運動や円運動をすることでビーストは歩き出す。特に重要なのが脚先の軌跡である。脚先が前に出る時に描く上方向に膨らみながら回転する軌跡が、生き物らしい滑らかな動きを生み出している。」
要するに、ビーストが歩くための理論ってことだね。
私はこの説明を読んで、頭がパンクしたよ(笑)
ホーリーナンバーを体験できる装置もあった。
鉛筆がぐるぐる回って、円を描くの。
これがビーストの全てとも言えるんじゃないかなあ。
ぐるぐる回すと、円を描くの。体験してきたよ。
ビーストのエネルギー源は、"風"。
風を食べて生きているんだって!
ところで、風って美味しいのかな?(笑)
それはさておき・・!
ペットボトルの胃袋があって、風をエネルギーに変換できるの!すごいよね〜!ちなみに圧に耐えられるように、炭酸用のペットボトルを使うみたい。
ビーストに付いている羽とか帆とかが風を受けて、そこにくっついているピストンが動くと、徐々にペットボトルの中に風が溜まっていくんだって。しかもそれを、風が吹かなくなった時に使って、動くこともできるの!便利〜〜〜!
ペットボトルが、前の方と後ろの方についてるの、見えるかな?これがビーストの胃袋ちゃんです。
この子は「アニマリス・アデュラリ」。尻尾(写真の左側の尖っている部分)を振るんだよ〜!しかも伸びる。ギュイーンって。最初は結構びびる。
ここでもうひとつ、あなたが好きそうなものが展示されていたから紹介。
これ、ヤンセンさんのアイデアスケッチだって。こんな複雑そうな生命体を生み出すのに、設計図を描かないんだってー!
だからこういうスケッチが大事みたい。この辺にも、アートを感じるね。
あ、そうそう。美術館で、この子が動いているところを実際に見てきたよ。
写真じゃ伝わりにくいのだけれど、体がすごい大きいのです!
このビーストさんのお名前は「アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ」です。世界史に出てくる女王様の名前みたいだね。
展示は室内だったから、風が吹いていないのね。だから、室内にいるビーストたちは「化石」状態というわけ。
風を送り込むことで、ビーストは生き返るよ。
人口で風を送り込んで、生き返るシーンを見れたのだけれど、迫力が、ものすごかった。
・・・正直いうと、ちょっと(いや、かなり)怖かった!!!
未知の生命体に、迫られている感じ。本能が「怖い!危険だ!逃げて!」と叫んでいた気がする(笑)
人間の世界を簡単に乗っ取られてしまいそうな、そんな、強い生命力をビーストから感じ取ったのかなと思う。
プラスチックチューブでできた体なのに、本当に ”生命体” だと生物的直感が判断するくらい、生き物だった・・・!
こればかりは本当に体験してほしかった。すごかったの。ほんとうに。
ひとつだけ、まだ勝てる!と思えたのは、「後退できない」ということ。前に進むことや方向転換をすることは、ビーストの種類にもよるけれど、割とどのビーストたちもできるのね。
ただ、後ろ向きに進むことは、まだできないんだって。
だから逃げる時には後ろに回り込めばいいね(笑)
最後に、私が唯一 ”かわいいな” と感じたビーストちゃんを紹介して終わろうかな。
この子は、「アニマリス・ムルス」!
全長13メートルもある。本来は、キャタピラ型ビーストなんだけど、私は小動物に見えたのです。犬とかそのあたりの。
みてる分には可愛いけれど、動くのはちょっと怖そう。
長々と説明したけれど、これはほんの一部。展示をよく見て回ると2〜3時間余裕でかかるほどボリューミーだったよ。
どうだろう、全然うまく説明できていないんだけれど、ちょこっとでもストランドビーストのこと、テオ・ヤンセンのこと、伝わったかな?
もっと知りたい!と思ってくれたら、山梨県立美術館のHPに動画とか、写真とか、ヤンセンさんのインタビュー動画とか載っているので、check it out!!!
これで山梨県立美術館を訪れたい欲が増しててくれると嬉しいなあ。また感想教えてね!
そして今度会った時に、ストランドビーストについて語ろうね!
では、また。