◯*:.。. 恋愛時計.。.:*◯
「新婦様、ご準備が整いました。
私は別室にてお待ちしておりますので
後程お声をかけて下さい」
「心羽、カーテン開けていい?」
「… ちょっと待って …」
「なに、どした?」
「やっぱり、
さっきのベールの方が良かったかも」
「今回は衣装の仮決めだから
そんなきっちり決めなくていいよ
てかさ」
シャッ
「俺の花嫁、早く見たい」
「蓮、ちょっ待っ…」
「…」
・
「どう・・・かな・・・」
「…」
・
「やっぱダメだ、それ」
「ダメって…やっぱりベールが?」
見せたくない
誰にも
「蓮、ここフィッテングルーム///」
「いいじゃん」
色々有ったけど
やっと俺のもんになるんだから
真っ白なウエディングドレスに身を包んだ心羽は、白い羽のような軽やかな微笑みを浮かべて
俺だけを見ている
ただ俺だけを…
今までの色んな出来事が
走馬灯のように脳裏を駆け巡る。
そして二人、
今こうしてスタートする未来を祈る気持ちで
霧のようなベールを捲る。
近づける唇を
あえて心羽の口の端にずらして
華奢なドレスの腰を引き寄せた。
・ ・ ・
人は皆、
心の奥底に「時計」を持っているのかもしれない。
止まっていた秒針が再び動く時、
新しい未来が流れ出して行く
怖がらずに進めばいい
心が凍っていた時期は
俺達を確かに大きくして
前より少しだけ優しくしてくれるはずだから。
〈プロローグ〉
ー✳︎ーー✳︎ 恋愛時計 ✳︎ーー✳︎ー
主人公 神島 蓮
モトカノ 水島 汐音
ヒロイン 梛木 心羽
ヒロイン兄 梛木 亜門
幼馴染 八木 快
幼馴染 吉田 コウ
ミュージシャン 七海 律
マネージャー 六本木 恭
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全ての切ない思い出たちへ