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 page 9 君の名は?

 it's story of the Mr. 神島 蓮

   

   仕事が終わってシャワーを浴びて
    コンタクトから眼鏡に変える
     冷蔵庫からビールを出して
  パソコンを立ち上げると大体この時間

  このルーティンに1つプラスされたのは
    
   “織姫”のブログをチェックする事

       今日は空の画像…

    だいたいこのくらいの時間に
    彼女からのメッセージが届く 

       “お元気ですか?”
          
         とか

        “お疲れ様”

         とか

  お互いメッセージへの返事が次の日
     になったりするので
  毎日のメッセージのやり取りの流れが
    自然と出来上がってしまった。

        「で、」

  こっからどうやって会話に持ち込む?

   もし今夜、メッセージが来たら
     伝えてみようかと思う

          ・

   “今、電話していいですか?”って

          ・

   首に掛けた濃紺のバスタオルからの
       冷たい感触

   何故か時計の秒針がデカく響く

    炭酸のハジける音にまでも
    冷やかされてる感覚になる
       やめてくれ
       からかうな

     こういう時は普通・・・

  “電話したいんだけど” って言うのか?

    “話したいんだけど” ?

    “文字打つの面倒になって” ?

        けど、

  
  ホント改めて考えると
     これって初体験かもしれない
  こういうシチュエーションで
       自分から連絡した事って
     今まで経験が無い
 しかも織姫さんの顔も本名すら知らない

         ボソッ

        我ながら
     
      「俺、ヤベー…」

         ✳︎✳︎♪

   「うわっ‼︎ メッセージ来た‼︎」

   どうする?どうする?どうする?

   マナーモードに設定してる振動が
  ブルブルとローテーブルに響いてる。


   ーーーーーーーーーーーーーーー

   こんばんは。
   今日はとても暑かったですね。
   お昼休憩で徒歩3分のコンビニまで
   歩いただけなのですが、
   ジリジリ照らす日光で皮膚が痛く
   なってしまいました。
   今日の暑さは特別でしたね!

   神島さんは社内の冷房で
   快適ですか?

   ジリジリの太陽を横切る飛行機雲に
   出会いました。
   ブログに載せましたので
   お時間のある時に覗いて下さいね。
   
   花火大会が近づいて来て
   色々ご相談したいなと思っています。

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         〈9〉

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