見出し画像

 page 10 first contact

 it's story of the Miss 梛木 心羽

   夏の夜の風には
   少し切なさが混ざっている

   窓から入る風が髪を揺らして
   息をするとスッと入って来る
 そんなblueな想いをそっと受け止める

   部屋の照明は暗いのが好き
   理由は月の明かりが優しいから

   今夜も
   パソコンのページに画像を載せる

         カタッ

 
  ブログにメッセージを下さる方が居て
  その人の言葉に独特の優しさを感じて 
  いつも気になっていた。

  頻繁にやり取りするうちに
  私と似ている所をいくつも発見して
  勝手なんだけどいつの間にか
  友達みたいに感じてしまって・・・

   ある日花火大会が有りますよね
    ってメッセージをしたら

        

         ・

   「 一緒に行きませんか? 」

         ・

    と、衝撃的な返事が来た。
  

    本当にビックリしたけど、
  
  「 私も一緒に行きたいです 」
  って、即座にメッセージした自分に
   もっとビックリしてしまった。

   こんな積極的な自分も居たんだと
   自分の奥底に潜む見えない扉を
   見つけたような感覚になった。

   
    どんな人なんだろう・・・

      見てみたい

      会ってみたい

      話してみたい

   そんな事を思い出しながら
  ローテーブルに置いた丸い照明を
   満月みたいにホンワリ灯す。
         
        ふいに

  隣に置いてあるiPhoneがパッと
       光を放った

   ……………………………………

   こんばんは。
   確かに今日は本当に暑かったね
   所で、
   今電話なんてしても大丈夫?

   ………………………………………

    
      「 えっ! 」

   ドキッと
   胸を撃つ鼓動に気を取られていたら
   2つ目のメッセージが送られて来た。


   ………………………………………

   花火大会も近づいて来たし
   待ち合わせ場所とかも
   直接話して決めたいなと思って

   ………………………………………

      そうだよね

 お会いするって決めたんだから
 色々話しておいた方がいいに決まってる。
 
 突然今っていう流れに戸惑ってるけど
 神島さんも 
 きっと勇気を出して提案してくれたと
 思うから
 ここはしっかりご挨拶しておかなきゃ

   ………………………………………

   私も神島さんとお話してみたい
    (とっても緊張するけど)

   ………………………………………

   少しだけ震える指先で文字を打つ
  すぐに既読になる文字にドキドキする

   “会話が上手くないのですが”
        
        慌てて
 補足の文章をトントン打ち込んでたら
 途中でiPhoneの画面が真っ暗になった。

      ˚✧₊⁎ ♪ ♪ ⁎⁺˳✧༚


  LINE通話の着信音がキラキラ流れ出す


      わわわわわわっ


   どうしよう かかってきちゃった!


         〈10〉
        次のページへ


いいなと思ったら応援しよう!