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「悔しさ」という「幸せ」

2022/3/6
2022明治安田生命J1リーグ第3節
ガンバ大阪vs川崎フロンターレの試合が行われた。

片野坂新監督を迎え改革を進めながら強さを身につけて行くガンバ大阪が今現在リーグ2連覇中の絶対王者川崎フロンターレにどこまで通用するのか?
一ガンバサポーターとして楽しみな一戦であった。

4-4-2のフォーメーションで前線からプレスを掛け
そこに両サイドハーフとボランチが連動し川崎相手に自由を与えない、チャレンジャーの立場としては素晴らしいゲームを披露するガンバ大阪。
それに対して落ち着いてサイドに展開しながら僅かな隙を付いてくる王者川崎。
観ていて見応え十分の一戦は34分にホームのガンバ大阪が先制点を奪いそのまま試合を折り返す。

後半ガンバ大阪にアクシデントがあった事もあるが
川崎が選手を変えギアを上げていきガンバを押し込んでいく。そして75分ようやく王者がゴールをこじ開け同点に追い付く。
しかしその僅か2分後に再びに前へ圧力を掛けたガンバが川崎フロンターレのペナルティエリア付近まで攻め込むと、思い切って放ったシュートが川崎DFに当たってコースが変わりゴールに吸い込まれ直ぐさまガンバ大阪が勝ち越す。
その後はガンバ大阪が5-4-1のブロックを形成し逃げ切り体制に入る。
そして94分川崎の攻撃も実らずラスト1分、ガンバ大阪の勝利が目の前まで来たその時だった。

ゴールキーパーがボールを置いた瞬間に背後に残っていた川崎のFWにボールをかっさわられ、最後は無人のゴールに蹴りこまれてしまった、、、
誰も予想してなかった同点弾。
試合はこのまま2-2で引き分けに終わりミスしてしまったキーパーは暫く頭を抱え立ち上がれなかった。
王者川崎相手に取れそうだった勝点3からスルりと勝点2が抜け落ちてしまった。
当の選手はもちろん、テレビで観ていた私も大きな勝利を目前にした「悔しい」という気持ちで心が埋め尽くされた。
テレビの前で唇をかみ締めながら膝を着き、何かを考える訳でもなく暫くの間画面を見つめていた。

私自身ここまで「悔しい」と感じた事は相当久しぶりだった。2020年こそリーグ2位と上位に返り咲いたガンバ大阪だが昨年は内容も結果も乏しくかつての熱量はすっかり冷めてしまっていた。

ガンバ大阪を応援して今年で早14シーズン目。
昨年はコールやチャントと言った声出しでの応援が出来ない環境に内容が無い試合が続き結果も出ず間違いなくそれまでの13年間の中で1番冷めていて感情の起伏も少なかった。
それを象徴するかの様に2021年の第37節 敵地で同じく川崎フロンターレ相手に1-4で負けても「悔しい」という感情は持たなかったし、大阪ダービーでセレッソ大阪相手に大敗しても特別苛立つ事もなければ心の中が荒れることも無かった。
それだけにテレビの前とは言えど「悔しい」という感情を強く抱く事が出来た。その現実が嬉しくもありプロスポーツチームを応援する醍醐味の1つでもあると改めて身をもって体感出来て「幸せ」だと感じた。

人間は皆んな心を持っていて1つの物事に真剣に向き合い真正面からぶつかり合う。ロボットの様に淡々と作業をこなすだけの人生より圧倒的に人間らしく、その姿は様々な角度から美しく視える。
全力でぶつかり、真剣に応援してるからこそ「悔しい」という感情を抱く事が出来、その後の勝利や成功で得られる「喜び」が何倍にも倍増される。
今まで感じてきた事がいかに「幸せ」なのか思い知らされた。

しかし「幸せ」だと知ったから終わりではない。
この「悔しさ」をガンバファミリーと共に「喜び」へと昇華させより素晴らしい「幸せ」を得られる様に変わらずガンバサポーターとして後押しを続けていく、、、、

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