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The Killers / Live from the Royal Albert Hall (2009)

3作のスタジオ・アルバムで英米ともに人気バンドとなったザ・キラーズによる、イギリスはロイヤル・アルバート・ホールでの2009年7月5日〜6日の公演を収録した(現時点でバンド唯一の)ライヴ・アルバム。
前年のサード・アルバムも手掛けた”ポップ職人”スチュワート・プライスが本作でもプロデューサーを務めている。

ジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダー、ザ・キュアーらに影響を受けたニュー・ウェイヴの美学と、U2やブルース・スプリングスティーンの系譜のスケール感とダイナミズムを兼備した彼らのパフォーマンスは、本作においてはクイーンのような華やかさと煌びやかさをも纏っている。

ポップ&キャッチー&ゴージャスな楽曲を、アコースティック・ヴァージョンやジョイ・ディヴィジョンのカヴァーなども交えつつ、アンセムとして鳴らすザ・キラーズは、ベタなことを恐れず王道を突き進んでいる。

この後バンドは活動を休止するが、ここで抜群のショーマン・シップとソングライティングの才を発揮したブランドン・フラワーズは翌年、傑作ソロを生み出すことになる。




ザ・キラーズの唯一のライヴ・アルバムが、フェイヴァリットのサード・アルバムの時期だったことは僕にとっては幸いで、しかも彼らの人気の発火点となったイギリスで、それも名門ロイヤル・アルバート・ホール公演と、いろんな要素が詰まった最高のライヴ盤だと思う。
セットリストも(ほぼ)文句なしで、愛聴盤「デイ・アンド・エイジ」から大半(CDでは7曲、DVDでは8曲)が選ばれているのもまた嬉しい。

DVDの映像の方も当然素晴らしい。この会場の雰囲気や質感がバンドに最適だったことがわかる。

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