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Bryan Adams / Bryan Adams (1980)

カナダ出身、同国を代表するシンガー・ソングライターにしてロック・スター、ブライアン・アダムスのデビュー・アルバム。

当時20歳だったブライアンの特有のハスキーなヴォーカルはまだ若々しく初々しく、楽曲の方はいかにも80年代的なソフトなロックで、わかりやすい(その分深みのない)ポップ・ソングが並ぶ。

19歳でソングライターとしての契約からスタートしただけあって、共同プロデューサーのジム・ヴァランスらとともに書き上げた9曲は、いかにもラジオでかかってそうなキャッチーさがある。

ただ、いかんせん”売れ線”感は当時から強く(正直言ってサウンドはあまりにベタでチープ…)、ソフトで骨太なブライアンらしい音はまだ手にしていない印象。






35歳になってからニック・ホーンビィの小説「ハイ・フィデリティ」を読み始め、先週末に読み終えた。なかなか身につまされる内容で、ところどころ膝を打つほど共感し、数々のNG行動に爽快なぐらい笑えた。

全体の感想はともかく、主人公ロブ達の中で”クールな音楽”と”ダサい音楽”がはっきり分かれていたのが印象的で、その区分けはかなり同意できるものではあって、その中でこのブライアン・アダムスはもちろん(?)バカにされる部類に入っていた。U2ですらセル・アウトしてる感じで蔑まれていたわけだし、しょうがないか。

でも、僕は海外のロックを聴き始めた初期に知って、”18 Til I Die”な青春感とベタなロック感が聴きやすくて好きだっただけに、10代の頃のノスタルジー込みで今でも(たまになら)聴けちゃう。
とはいえこういう機会じゃないとほとんど聴かないけどね。持っていたCDも手放しちゃったし。

しかしこのデビュー作のサウンドの安っぽさ、全然ロックじゃないな…。そのせいでメロディまでチープに感じてしまうのが残念。たぶんレーベル側の意向を強く反映してるんだと思うけど。
売れ始めた3作目あたりからはもっと良い曲が書けているので、最初期はやむなしかなと。

そんなわけで、珍しく否定的な内容になったけど、(本作はともかく)彼の作品自体は今後もたまには聴いていくこととしよう。

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