Mr.Children / Atomic Heart (1994)
シングル「CROSS ROAD」のミリオン・ヒットにより飛躍的に知名度を上げ、続く「innocent world」で大ブレイクを果たしたMr.Childrenが満を持してリリースした通算4作目のアルバムは、驚異的なセールス(350万枚近い売り上げはキャリア・ハイ)で当時の歴代最高記録を樹立するモンスター・アルバムとなった。
シングル曲に備わった強靭なポピュラリティだけでなく、詞は真摯な内省に加えて社会性を帯びるとともに毒気も増し、音楽性はローリング・ストーンズ風のロックンロールやリズム&ブルース、テクノやプログレからの影響も取り入れるなど幅広さと奥行きを増している。
シリアスさも実験性も純真さもユーモアも含んだ、日本を代表する優れたロック・アルバムである本作は、バンドの大きな成長を遂げるとともにシリアスで重厚なイメージも身に付け、キャリアの転換点を刻んだ傑作。
90年代的な音で時代を感じさせるところもあるが、ロック・アルバムとしてのエネルギーとダイナミズムとヴァラエティを兼ね備えており、シンプルでスタイリッシュなジャケットもセンスが良く、売れるべくして売れた彼らの代表作であることに異存なし。
そしてこの後、ここからさらに深刻で重くて奥深いところへと彼らは向かっていく。
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