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Kurt Vile / God Is Saying This to You... (2009)

USインディ界の俊英シンガー・ソングライター/ギタリスト、カート・ヴァイルのセカンド・アルバムは、デビュー作同様、過去のホーム・レコーディングの音源から構成されている。

12曲でわずか28分という短い収録時間全体を通して、アートワークのイメージそのままに、水墨画のように淡く広がるアンビエントと、ノスタルジックに揺らめくソフト・サイケ・フォークの響きが実に心地良い。
微睡むようなギターの鳴りと脱力したヴォーカルには、柔らかな光が差し込むような感覚を覚える。

芸術家肌のギタリストらしく、ギターの音色が本当に美しい逸品。




眠たげな冬の日曜の午後、暖かい部屋の中でコーヒー片手にうとうとしながらこれを聴く。心地良い気怠さに浸っていたいけれど、30分にも満たない間にアルバムは終わってしまう。そして現実の時間が目の前に帰ってくる。週末の終末。

たしかCDでは出回ってなかったので、購入した音源しか手元にない。
なので制作の背景も詞もわからない。でも、このジャケットと音だけでいいのだろう。

カート・ヴァイル。世間や音楽シーンの潮流から離れたところで、ひっそりと穏やかに、しかし確かに自らの音楽性の基本を貫き、その可能性をいくつもの角度から掘り下げ続けている。素晴らしいアーティストだ。
盟友であるザ・ウォー・オン・ドラッグスのアダム・グランデュシエル(本作でも1曲ギターで少しだけ参加している)との緩く長い結びつきも、劇的ではなくとも親密で興味深い。

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