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('10) Vampire Weekend / Contra

アフロ・ビート×インディ・ポップの融合で鮮烈なデビューを果たしたヴァンパイア・ウィークエンドのセカンド・アルバム。

前作同様にメンバーのロスタムがプロデュースを務めた今作は、これまでのクールでキャッチーでユルくてポップなスタイルの上に、エレクトロやカリビアンなサウンド、ストリングスなどの要素を加え、立体感と完成度、メロディの美しさを増した、理想的な進化&深化を果たした作品で、見事に全米1位(!)に輝き、メインストリームへの進出に成功した。

基本的には陽気に鳴らされる彼らの音の中に、このあたりからわずかな哀愁や空虚感が漂い出し、それがアルバム全体に深みを与えている。

スタイルのお披露目的なファースト・アルバムから、たしかな表現力に、さらに洗練されたエズラのヴォーカル&ソングライティングも冴え渡るセカンドへと成長を遂げ、彼らは2000年代終盤デビュー組の中でも出世頭となった。

2010年1月にリリースされた本作は、”2010年代最初の名盤”。



12月ですね。12月といえば”In December, drinking Horchata”という印象的な歌い出しで始まるヴァンパイア・ウィークエンドの2作目『コントラ』。

相変わらず精密機械のようなのに自然なビートが、複雑ながら絶妙に調和して心地良いリズムを生み出す。
めっちゃオシャレでセンス良い奴が、話してみたらめちゃくちゃ性格良くて波長が合った、みたいな(?)感じ。

この2作目で順調な成長を見せ、さらに3年後の3作目ではアメリカ音楽を背負うくらいの気概と圧倒的な完成度の傑作を生み出すのだから凄い。

ポップとしての気持ち良さとインディの矜持、ブルックリンらしいアート・センスと実験精神と遊び心を高次元に兼ね備えた、現代のロック・バンドの理想形のひとつだと思う。

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