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Nick Cave / From Her To Eternity (1984)

オーストラリアを代表するシンガー・ソングライターであるニック・ケイヴが、自身のバンドのザ・バースデイ・パーティー解散の翌年にリリースしたソロ・デビュー作(ザ・バッド・シーズはここではあくまで「フィーチャリング」扱い)。
タイトルは名画"From Here To Eternity”の捩り。

ニックによる狂気じみて凶器のように鋭利なブルースを核とした異形のロック表現は1作目にして既に確立されつつある。
生々しくて毒々しくて陰惨で示唆に富んだ詞の世界(フォークナー作品の雰囲気に喩える人もいる)は全くもって独自のもので、鋭く烈しく自らの美学を貫いたその音楽性は唯一無二。

”語るべきもの”を持った詩人として、自分だけの屹立した世界を構築できるソングライターとして、禍々しくも奥深い声を持ったシンガーとして、1曲目でカヴァーしたレナード・コーエンにも通ずる神通力が垣間見える傑作。





21世紀に入ってからも更にその評価を高めている鬼才ニック・ケイヴのソロ・デビュー作は、全編に渡ってその異様な存在感を放ち続けている。
CD盤ラストを飾るタイトル曲のライヴVer.も頗るカッコいい。

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