Phoenix / Alphabetical (2004)
フランス産のインディ・ポップ・バンド、フェニックスのセカンド・アルバムは、前作の「フレンチ・タッチ」で多面的な内容から、的を絞ってロックやソウルをエレクトロで磨き上げた、洗練された上質なポップ・アルバムとなっている。
打ち込みのドラムやアナログなシンセ・サウンドが絶妙な按配で配置され、ミニマルで温かみのあるサウンドと、前作の”パーティー感”とその喧騒の後の内省的な気分を映し出したような切なくも美しいメロディが心地良く溶け合い、高品質なサウンドや全体のコンパクトさも相まって、ちょうど良くソフィスティケイトされたアルバム。
前作に満載だったフレンチ・エレクトロ感やポップ・ソングとしてのアクセスしやすさ、音楽性のレンジの広さは抑えめだが、その洒脱なスタンスで温かく柔らかなソウルを鳴らす瞬間は極上の音楽体験といえる。
愛すべきフレンチ・バンド、フェニックス。
やはりセンスの塊だなぁ。
内省的にサウンドの探究を進める、セカンド・アルバムらしいセカンド・アルバム。
洗練という言葉がよく似合うと同時に、洒脱な遊び心も忘れない。
確固たる”スタイル”を持ったバンドは、方向性ややり方が変わっても、決して外れがない。
4月最初の週末。なんとか辿り着いた休日。
この1週間は本当に激動だった。初めてのことづくしな上に、精神的に揺さぶられることづくしで、喜怒哀楽それぞれの感情に四方から引っ張られ、三国志時代の処刑のように全身が引きちぎられるかと思った。
負の感情に溺れそうになりながらも、何とかもがき、足掻き、その跡に残ったのが前向きな感情だったことには心底ホッとした。
このところ涙腺が緩みっぱなしで自分でも少し引くけどね。