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The Strokes / Is This It (2001)

21世紀のロックにおける新章の幕開けを告げた、ザ・ストロークスのデビュー作は、”モダン・エイジ”における究極のロックンロール・アルバムにして、どこをとっても完璧といえる歴史的名盤。

シンプリシティの極致といえる過不足の全くないスタイリッシュなサウンドも、クールな情熱を帯びたヴォーカルも、無駄がなく整ったサウンド・フォルムも、ロックとしてのドライヴ感も、ギター&ベース&ドラムスのカッティング・エッジな鳴りも、登場したタイミングも時代背景も、全てが完璧。
そんな作品を「これがそれ?」と言い放つシニカルさも良い。

NYの裕福な家庭出身の息子が5人集まって、ロック・バンドの基本たるギター・ベース・ドラムスを淡々と鳴らし、歌う。
それだけでここまで理想形のような音を作れるとは。
もちろん削ぎ落とされた音像だけに物足りなさを感じる人もいるだろうが、とにかくセンスだけで作り上げているところに凄みすら感じられる。

この流線形のように美しいフォルムと、ロックンロールの原初のエネルギーを兼備したレコードが起爆剤/触媒/出発点となり、肥大化し飽和し先が見えなくなっていた20世紀末以降のロック・シーンに鮮烈に風穴を開け、”ロックンロール・リバイバル”というある種の時代の必然性を持って、21世紀のロックは動き始めた。







今日はNYのバンドを取り上げようと思っていたら、ストロークスの1作目を書き忘れていることに気づいた。
主義に反して先に2作目から上げてしまってたな。まあいいか。

ジュリアン・カサブランカス、ニック・ヴァレンシ、ニコライ・フレイチュア、ファブリツィオ・モレッティ、アルバート・ハモンドJr.。
名前だけでもカッコいいよな。漫画だとしてもカッコつけ過ぎなぐらいに。
でも音はそれ以上にカッコいい。

何回聴いても胸が高鳴り熱くなる、まさにロックの名盤。

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