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Buffalo Springfield / Buffalo Springfield Again (1967)

空中分解寸前のバッファロー・スプリングフィールドが、その要因となったスティーヴン・スティルスとニール・ヤングの衝突と各メンバーの音楽的進化、リッチー・フューレイの台頭によって緊張感と均衡が奇跡的に保たれ、60年代ロック不動の名盤となったセカンド・アルバム。

フォーク、ブルーズ、カントリー、ソウル、ジャズに当時隆盛のサイケデリック・ロックも交え、来たる70年代アメリカン・ロックの豊穣な水脈の源流となった本作は、多彩な音楽性を圧巻の完成度を誇る10曲34分に凝縮し、「アメリカーナ」の見本市のような総覧性も持っている。

リーダーのスティルスが4曲(特に⑤は力のこもった代表曲)、フューレイも今回は3曲(とにかく爽やか!)を持ち寄っているが、特筆すべきはヤングの3曲。
ロックな①、ジャック・ニッチェと組んだ繊細な叙情が光る④、そして組曲風でプログレッシヴながら詩情が漂う⑩と力作が並び、ニール・ヤングの”あの声”は表現力を増している。
"Mr. Soul"、"Expecting to Fly"、"Broken Arrow"という題名からして、いかにもヤング的で、彼自身その後も度々取り上げる代表曲となる。

1967年当時、イギリスにおける「サージェント・ペパーズ」に対してアメリカはこの「アゲイン」で、二大傑作と称されたのも頷ける歴史的名盤。もっとも、トータル・アルバムである前者に対し、後者は個人主義的でベスト・アルバム的であり、そのあたりもバンドの音楽性とキャリアを象徴している。

正統派のスティルス、明瞭で軽やかなフューレイ、革新的で個性的なヤングという三者三様のシンガー・ソングライターとしての在り方が対比されてよく映える。シンプルなソングライティングの上手さもさることながら、ギターの鳴り方、響き方や音の広がりにもこだわり、単なるフォーク・ロックに留まらず、新たな境地へと(バンドとしてではなく)各人が向かおうとしたからこそ、このバンドからCSN(&Y)、ポコ、ニール・ヤングのソロへと、それぞれの才能をさらに伸ばしていくことができたのだろう。





今年は暦通りの出勤日なので、この週末は”プレGW”といったところ。
まだ肌寒いが、陽射しが差し込む4月最終日の日曜日。

今年はニール・ヤングものをしっかり取り上げていこうと思っていて、正月にバッファローの1stを書いて、この名盤2ndは4月に、と考えていたら年度初めの何やかやで最終日まで押してしまった。

上にも書いたけど、「豊穣なアメリカン・ロックの源流」という表現がぴったりな本作。

もちろん好みはヤング作なのは言うまでもない。バッファローでの2作で彼はソングライターとして完全に独り立ちした模様。

アメリカン・ロックと聞いて想像するような音楽の基本形が本作には詰まっている。傍流もしっかり汲んだ本流(=王道)。
ジャケットもそうだけど、輝かしさの奥に、翳りが滲む。

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