Oasis / Whatever [Japanese EP] (1994)
デビュー・アルバムからわずか数ヶ月でリリースされた歴史的名シングル"Whatever"を含む2作のシングルから、当時日本では未発表だった6曲を収めた日本独自編集盤EP。
今から30年前のクリスマス商戦用のシングルとして世に出た本作だが、青空と白い雲と大草原と地平線が鮮やかなジャケットからしてどこか夏っぽい雰囲気。
ファースト・アルバムでミキシングなどを手掛けていたオーウェン・モリスを本作ではプロデューサーに迎えて、音が格段に良くなり、オーケストラまで入れて彼らは更なる快進撃のための大きな一歩を踏み出した。
当時「90年代の"All You Need Is Love"」とまで称された問答無用の大名曲である表題曲"Whatever"、ノエルのソロ・ライヴの1曲目でもお馴染みだった"(It's Good) To Be Free"(本作ではリアムが歌っている)、いかにも初期オアシスらしい曲調の"Fade Away"と"Listen Up"、ノエルのヴォーカル史上屈指の名曲"Half The World Away"、初期オアシスのライヴのラストを飾っていたビートルズ・カヴァーの"I Am The Warlus"と、聴き応え十分の非常に充実した1枚。
高校時代、1〜2作目とセットで延々と聴いていたこの愛着のある日本盤を僕はずっと手放せずにいる。
"Whatever"と"Half The World Away"という2大名曲を擁するこのシングルは、ビートルズの伝説の"Penny Lane/Strawberry Fields Forever"の両A面にも匹敵するくらい凄いかもしれない。
書く曲がどれも名曲に向かっていったこの時期、ノエルのソングライターとしての才能が爆発している。
威風堂々とロックの王道を歩み出したオアシスが最初に手にした極上のポップ・ソング。これぞエヴァーグリーン。これぞ珠玉。
今年もM-1を夜中まで存分に楽しんで、いざ年末。
あと4日でできる仕事を片付けて、あとはしばしのんびりと過ごすのさ。