
Beck / One Foot in the Grave (1994)
メジャー・デビュー作「メロウ・ゴールド」が世に出る前にレコーディングされ、インディーズからリリースされたベック通算4作目のアルバム。
「片足を墓に突っ込んで」のタイトルの本作で、ベックはラフな演奏でブルースやフォーク、カントリーなどのルーツ・ミュージックを掘り下げ、それはかのロバート・ジョンソンを彷彿させる。
その後も自身のライヴで取り上げる楽曲もあれば、あくまでラフ・スケッチのようなデモ音源からジャンク品のような奇妙なものまで、玉石混交のイメージが強いベックの”インディもの”だが、中でも本作は玉石の”玉”の率が高く、隠れた名盤として本人もファンも高く評価している逸品。
90年代を代表するイノヴェーターであるベックの創作意欲の源流の一つに20世紀前半の豊穣なルーツ音楽があることは明白で、このノスタルジックでフリーキーなアルバムには、内省と革新を行き来する彼の原点を感じられる。
6月もあとわずか。何をしていたか覚えていないほど、あっという間だったな。
まだ1週間残ってるけど。
待望の東京03の単独に行けたのがハイライトだけど、それと何人かと各々飲みに行ったこと、あとはTVerで古畑三昧。・・・意外と充実しているのかもね。
さてベック。連続週更新がかかっているので、前倒しで取り上げてみる。
僕が持っているのはベック自身が約15年後にリマスターした盤なので、ラフな音像の中にも研ぎ澄まされたサウンドを聴ける逸品。
未発表曲にも素晴らしい曲が幾つもあり、そのどれにも詩情というか唄心というか霊感というか、そういったものが感じられる、気がする。
日常における煩わしさに湿度も加わって、なんだか鬱屈とした気分になることも多いけれど、そんな今にぴったりフィットするユルさと気怠さとポップさ。
あまり先のこととか周りのことを考えすぎずに、ひとまず目の前のことをクリアしていこう。ふと気づけば環境とか見える景色に変化が訪れるかもしれないから。