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Bob Marley & The Wailers / Natty Dread (1974)

ボブ・マーリーのメジャーでの3作目のアルバムは、ザ・ウェイラーズの前に自身の名を冠した最初の作品。

オリジナルのウェイラーズから盟友バーニー・ウェイラーとピーター・トッシュが脱退し、新たに自身の妻リタも含むコーラス・トリオ”アイ・スリー”を引き入れて再スタートを切った本作は、初のUKチャート入りを果たすなどヒットを記録するとともに、名曲"No Woman, No Cry"も収めたレゲエ界屈指の名盤としても名高く、意義深いレコードとなった。

故郷ジャマイカの圧政への反抗と自身の思想・信念を、力強く軽快な楽曲に濃密に刻み、レゲエという音楽のスタイルだけでなく、その奥にある本質をも世界中に波及させようとしている。

アストン&カールトンのバレット兄弟による強靱でしなやかなグルーヴが生み出すどっしりとした安心感とじわじわと広がる昂揚感、これまでよりもゆったりとしたリズムに、メロディは開放的で心地良く、ボブのヴォーカルも深いところへ浸透していくよう。

ロック的なアプローチで作られているのも特徴的で、レゲエの持つ(西洋社会にとっての)異国情緒を普遍的な言葉で、あくまで大衆的な音楽として鳴らしている。






ボブ・マーリーのキャリアで最も充実度の高い作品の一つ「ナッティ・ドレッド」。

彼の凄さは、ロックの至上命題である”反抗”を一心不乱に掲げながら、怒りではなく希望や理想に突き動かされて闘い続けたところなんだなと、本作のたおやかなサウンドと力強い言葉を聴きながら再認識した夜。

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