Elton John / Greatest Hits (1974 / 1996)
世界で最も成功したソロ・アーティスト、エルトン・ジョンのポップ・クラシックと呼べる珠玉の名曲を収めたベスト盤。
その長いキャリアにおいて優れたポップ・ソングを生み出し続けるエルトンだが、ここでは「シンプルこそ至高」といえる逸品から、プログレッシヴな大作志向、ノスタルジックなロックンロール、アップリフティングなナイト・クラブ風と、彼の多彩な才能を端的な形で聴くことができる。
繊細なラヴ・ソング・メイカーだけでなく、アグレッシヴで気骨あるロック・シンガーでもあることも知らしめている。
ポップ・スターとしての自分自身をも嘲笑うかのように露悪的だったり趣味性の強い音楽をやっては煙に巻くこともあるが、だからこそ、”Your Song”をはじめとした名曲のメロディがより一層引き立つ。
それにしても本気を出したときのエルトン・ジョンのメロディ・ラインは素晴らしく、正に”黄金律”。
売れすぎたせいで、書く曲がポップすぎたせいで、(特にロック・ファンからは)軽く見られがちなエルトン・ジョンだが、こうしてグレイテスト・ヒッツでまとめて聴くとやっぱり凄い。
これぞポピュラー・ミュージックといえるキャッチーで美しいポップ・ソングの数々。
本作は1974年の”初版”が大ヒットを記録し、1996年の日本盤”増強版”でさらに強力になった。
彼のロック系の曲は正直そこまで好まないけど、初期の"Skyline Pigeon"や名曲"Goobye Yellow Brick Road"あたりのメロディの美しさには抗いがたいものがある。
11月も終わり。2024年も残り1ヶ月か。
引き続き、毎週一つは楽しみを抱えながら、息抜きしながら生き抜こう。