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Kings Of Leon / Youth & Young Manhood (2003)
時代性を度外視した独自路線(数年後にはまさかの王道路線へと進むが…)を歩むキングス・オブ・レオンのデビュー・アルバム。
ゴスペル、ソウル、ブルーズ、カントリーをベースにした、アメリカ南部出身らしく土着的で野性味溢れる音楽性と、カッティング・エッジなサウンドで、「南部のストロークス」と称されるなど、ガレージ・ロック/ロックンロール・リヴァイヴァルに沸くイギリスから人気に火が付いた。
シンプルながら情感溢れる熱い演奏と、荒々しくエモーショナルなケイレブ・フォロウィルの歌唱が何よりも魅力だが、ロックな曲にもスロウなナンバーにもポップさの原石感が光るし、全体を通して勢いだけではない本物感が漂う。
アメリカ南部を家族全員で演奏しながら旅して育ったフォロウィル3兄弟+従弟のファミリー・バンドは、自らの出自を自然に体現しつつ、新たな刺激にも貪欲に、そのキャリアを進めていく。
オリジナルのジャケットは白地でメンバーの顔のイラストがどうしてもうまく写らなかったので、デフォルメされたジャケにしました。
KOLのファーストは、アメリカ南部臭とガレージ・ロック臭が同時に漂う、魂のこもった力作で、夏の夕暮れに、うだる暑さの下ビールをちびちび飲みながら聴くにちょうどいい感じ。
夏には夏の音楽を聴き、事あるごとにビールを飲む。それがいい。
のんびり過ごせる夏休みを心待ちにしている僕がいる。
この夏は『風の歌を聴け』と『日はまた昇る』を読み直そうかなどと思うとります。
7月末に夏の半分が終わることを哀しむ小沢さんのように、僕も夏を大切に過ごしたい。