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Dr. Feelgood / Down By The Jetty (1975)
パブ・ロックの代名詞的存在であるドクター・フィールグッドのデビュー・アルバムにして、パブ・ロック不朽の名盤。
ピックなしでカッティング・ギターを爪弾く世界的名手でありバンドのメイン・ソングライターでもあるウィルコ・ジョンソンと、当時20代前半ながら渋くワイルドな濁声を聴かせるリー・ブリローの掛け合いを軸に、シンプルながらシャープでソリッドなバンド・サウンドに味のあるブルース・ハープが重なる荒々しくもごきげんな彼らの音楽性は、まさにパブでパイントのビールでも呷りながら聴きたい類のロックとして鳴らされている。
根幹の部分で古き良きロックンロールやリズム&ブルースに裏打ちされたその音は、同時代のブリティッシュ・ロックの主流が華美で壮大な方向に走ったのに対して、鮮烈なカウンターを見事に浴びせている。
インスト曲においても詞以上に”語る”ウィルコのギターがとにかくカッコいい、70年代ギター・ロックの逸品。
有難い9連休の年末年始。
大晦日と三が日を終えて、このあたりで気持ちの上では”日常”に戻ろう。
というわけでいつもの週末気分で過ごす土曜日に書き初めを。
今年の1発目を飾るのは50周年を迎えるドクター・フィールグッドのデビュー作。
海風(?)に吹かれて不機嫌なモノクロ・ジャケットも、上下のシンプルなロゴも、いなたいけどどこかクールで気に入っている。
2025年にもなっていうことではないけれど、その昔、ストライプスなる少年バンドが驚異の新人としてもてはやされたことがあった(今どうしてるんだろう?)が、たぶん彼らのやろうとしていた音楽をその遥か昔に荒く尖った感性で体現していたのがフィールグッズなのだろうと、ふと思った。
何の変哲も無いロックンロールをシャープにソリッドに(この言葉に尽きる)研ぎ澄ませた”だけ”の彼らの音はやはり鮮烈で、どの曲もそれほどスピーディーではなくとも、エッジの効いたロック表現として半世紀が経った今効いてもカッコいい。
この連休中に、将来像の断片みたいなものが浮かんできたので(とはいっても有言不実行になったら嫌なので不言にするけど)、それを大枠の目的地として、長期計画で少しずつ進めていこうっと。
そんなこんなで2025年ものんびりやっていこう。
痛い目に遭ったとしても今年もしっかり休みを取りながら。