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The Pogues / Red Roses for Me (1984)

ケルティック・パンク/アイリッシュ・パンクの代表格、シェイン・マガウアンを中心にロンドンで結成されたザ・ポーグスのデビュー・アルバム。

ポスト・パンクの時代に、バンドのルーツであるアイルランドのトラディショナル・ソングに新たな命を吹き込み、ロンドンを生きる古き良きパンクスの精神を体現した彼らは、ジョー・ストラマーやポール・ウェラー、エルヴィス・コステロらのお気に入りでもあった。

自身も大酒飲みのシェインが13曲中7曲を書き、祝祭的な昂揚感と人懐こいノスタルジー漂う音色の中で、酔いどれ詩人の哀しくもユーモラスな日常と今昔の過酷な現実、そしてビールやウイスキーに塗れた辛くも素晴らしき人生を歌っている。

アコースティック・ギター、ベース、ドラムスにバンジョー、サックス、アコーディオン、ティン・ホイッスルが思い思いに入り乱れ、陽気で熱く気骨のあるアイリッシュ魂を鳴らしている。






愛すべきアイリッシュ・パンク・バンド、ザ・ポーグス。
彼らの魅力を(音源以外で)知るには、リマスター盤ブックレットの名匠ジム・ジャームッシュによる手記を読むのが一番手っ取り早い。ポーグス愛が詰まっている。

パブで酔っ払った勢いでステージに上がり、自らの血肉であるアイリッシュ・トラッドを声高に歌い、騒ぐ。それがそのままバンドとなり、スタジオ録音まで続き、レコードとなったのは奇跡的なストーリー。

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