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Neil Young / Neil Young (1968)
60年代の終わりに革新的なロックを鳴らしたバッファロー・スプリングフィールドの解散後、ソロとしてのキャリアをスタートさせたニール・ヤングのファースト・アルバム。
当然ながらバッファローにおけるニール・ヤングのエッセンスをレコード1枚分に拡大/凝縮しているだけに、彼に心酔するリスナーとしては、1作目にして最高に浸れる良作だと思う。
ジャック・ニッチェやライ・クーダー、ジム・メッシーナらを迎えた本作は、カントリー調の牧歌的なインストという意表を付いた幕開けの後、繊細なアコースティック・ギターによるフォーク・サイドとひび割れたようなエレクトリック・ギターによるロック・サイドが共存する初期の象徴的楽曲”The Loner”と続き、以降もこのニール・ヤング節が並び、最後は9分以上の弾き語り(&ギター掻き鳴らし)の”The Last Trip To Tulsa”で締めるといういかにも彼らしい作りになっている。
時代の影響もあるのか心許ない不安定さに揺らぎながらも、”Here We Are In The Years”をはじめ、珠玉のメロディをそこかしこに敷き詰めているあたり、さすがはニール・ヤング。一生聴き続けるんだろうな。
今からちょうど55年前、ニール・ヤングの23歳の誕生日にリリースされた記念すべきソロ・デビュー・アルバム。
たぶんロックなニール・ヤングを求めている人にとっては地味な作品としてスルーされがちなんだろうけど、僕からしたら、この歳で早くも枯れた味わいに哀愁を滲ませるこのアルバムも堪らない。
ラフなギター・サウンドには当時の彼の心境が表れているように思えるし、何よりメロディ・メイカーとしての才能が迸っている。
陰に隠れがちなこのレコードには既に彼の音楽性の基本形が備わっている。