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【ブロックチェーン比較】結局どのチェーンを使えばいいの?(前編)

はじめに

ブロックチェーンは、世界に数千種類も存在している上に、最近ではAvalancheによってブロックチェーンがノーコードで簡単に作れるような世界になってきており(参考:Ava Cloud)、これからもどんどん新しいブロックチェーンが生まれる可能性があります。このような世界の中で、自らのプロジェクトを始めるためにはたった1つのチェーンを選ばなければなりません。それでは、どのようにチェーンを選んでいけばいいのでしょうか?

※このシリーズで出てくるブロックチェーンに関するデータは全て2023/4/30時点のデータです。


NFT Gardenが対応しているチェーン

NFT Gardenで対応しているのは、以下の18個のチェーンです。「【ブロックチェーン比較】結局どのチェーンを使えばいいの?(データ編)」では以下の18個のチェーンについて比較しています。こちらも併せてご覧ください。

NFT Garden対応チェーン

考えるべきこと

使うチェーンを選ぶにあたって、「自分のやりたいPJが何を要件としているのか?」を考える必要があります。

今回は特に、
1. 大量発行が必要か?
2. 国内ユーザーがターゲットなのか?
3. 二次流通も考えているのか?
4. ブランド化したいのか?
5. 処理速度を速くする必要があるのか?
6. 独自のDAppを作りたいのか?
に焦点を当ててみます。

1.大量発行が必要か?

大量発行が必要な場合、例えばイベント会場でNFTを配布する、ゲームのアイテムとしてNFTを使うなどの場合は、「ガス代の安いチェーン」を選ぶ必要があります。例えば、Ethereumの場合NFTの発行には約$12もかかるのに対し、Polygonの場合は$0.05で済みます。NFTを1000個発行するとなった場合には、このガス代にかなりの差が出てくることは明らかです。

2.国内ユーザーがターゲットなのか?

国内のユーザーがターゲットである場合は、「国内の取引所で取り扱いがあること」が重要になってきます。そうでなければ以下の例のような面倒な手続きがユーザ側に生まれてしまい、あなたのPJがうまくいかなくなる可能性が出てきてしまいます。

例)Fuseというチェーンの仮想通貨FUSEは、国内の取引所では取り扱いがありません。もしFuseでNFTを発行し、それをユーザーAさんが購入し、転売に成功したとしても、Aさんが受け取れるのはFUSEという通貨です。これを日本円に換金するには、①海外の取引所やDEXにおいて、一度国内取引所で扱っている通貨(XRPなど)に変換、②変換した通貨を国内取引所に送る、③国内取引所で売って日本円に変える、といった面倒な手順を踏まねばなりません。

bitFlyer

3.二次流通も考えているのか?

二次流通を考えている場合は、「有名なマーケットプレイスで取り扱いがある」ことが必要になってきます。有名なマーケットプレイスで取り扱いがない場合、ユーザは二次流通をさせようにもそもそも売る場所がない、出品してもそのマーケットプレイスのユーザが少なくて買い手が全くいない、など様々な問題が生まれてしまう可能性があります。したがって、OpenseaやMagicEdenなど、有名どころがどのチェーンに対応しているのかを事前に確認しておく必要があります。

OpenSea

4.ブランド化したいのか?

自身のNFTをブランド化したい、つまり1NFTの価値を大きくしたい・見せたい場合は、「市場が大きく、有名なプロジェクトがたくさんあり、セキュリティも高い」チェーンを選ぶと良いでしょう。これらを満たすチェーンは、先の17種類の中では現時点でEthereumのみだと個人的には思います。


5.処理速度を速くする必要があるのか?

処理速度を速くしたいのであれば、文字通りですが「処理速度に特化した」チェーンを選ぶ必要があります。処理速度に関する指標としてTPS(Transaction Per Second)というものがよく使われるのですが、例えばEthereumは15〜25tps、Avalancheは4500tpsなど、チェーンによってかなり処理速度は異なります(ちなみにvisaは平均1700tpsだそう)。


6.独自のDAppを作りたいのか?

独自のDApp(Decentralized Application)を作りたい場合は、「EVM互換性がある」チェーンがお勧めです。EVMとは、Ethereum Virtual Machineの略で、簡単にいうとブロックチェーン言語であるSolidityで書いたスマートコントラクトが実際に動くように調整してくれるツールです。EVM互換性があるものは同じSolidityのファイルで同じように動作してくれるのですが、EVM互換性がないものはSolidityのファイルを使っても動いてくれないので、別の言語でDAppを作る必要があります。

(※また、DApp作成を簡単に試してみたい場合は、Alchemy APIに対応しているかどうかも判断材料としてアリでしょう。)

考えるべき点まとめ

もちろん、以上の6つ以外にも、チェーンに対応する仮想通貨の時価総額やNFT以外の取り組みなど見るべき点はたくさん存在しますが、ひとまずは上の6つを押さえておけば方向性が大きくずれることはないでしょう。

最後に

考えるべき点を挙げたところで、この記事は一旦締めます。後編では、上の6つの要素を用いて、どのようなプロジェクトにはどのようなチェーンが向いているのかをご紹介します(7/25(火)公開予定)。ここまで読んでいただきありがとうございました。

NFTの生成に特化したWebプラットフォーム『NFT Garden』

当ブログは、マルチチェーンNFT生成プラットフォーム『NFT Garden』を開発・運営するConnectiv株式会社が運営しています。

NFT Gardenは強力なNFT APIを提供し、polygonやSolanaを含むさまざまなブロックチェーンでNFTの生成や参照、転送などが可能です。これにより、「ゲームやメタバースで使われるアイテムのNFT化」や、「プロモーションを目的としたNFT配布画面の構築」「DAOやコミュニティ組成を目的としたNFTの大量生成」など、様々なユースケースでご利用いただけます。

NFT Gardenホームページ:https://nftgarden.app/jp/

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